換気システムの設置は義務
住宅においては10年以上前から換気システムの設置が義務化されております。
熱も空気も排出するだけの設備もあれば、空気は捨てて熱だけ改修するという設備もあります。
最近は手軽に熱交換換気を使う工務店も増えてきましたが、非常に勿体ない使い方をしている会社も多くあります。せっかくの高価な設備を取り付けても、実質役に立っていない例があちらこちらで散見されます。
今日は、熱交換換気を使う場合に多くの方が陥りやすい落とし穴を一つご紹介いたします。
熱交換換気の仕組み
0℃の外気、20℃の室内空気を50%の効率を持つ熱交換換気を使って熱回収をすると、10℃の空気が家の中に入ってくるわけですね。
しかし、その計算はあくまで、給気量、排気量が一致している場合の話です。0℃の空気が、20℃の空気の倍の量入ってきたりすると、熱交換効率は33%に落ちてしまいます。
何を当たり前にと言われるかもしれませんが、熱交換換気を設置しているほとんどの家で、この間違いを犯しております。
例えば、トイレの換気扇が回りっぱなし、お風呂の換気扇が回りっぱなし、キッチンの24時間換気モードが回りっぱなし、漏気の為に熱交換換気を通さず空気が出入りするなど、熱を勿体なく捨てている可能性は沢山あります。
熱交換換気の効率を知ろう
もうすぐお引き渡しの家では局所熱交換換気を採用しておりますので、熱交換換気の効率がどのくらい落ちるのかを実験してみました。
使用したのはスティーベル社のツイン・エアー・フレッシュです。
家全体の換気イメージはこちら。
普段はスティーベルの換気システムのみ、1か所当たり50㎥/hの換気量ですが、
今回はレンジフード、浴室、トイレなどの換気扇を働かせ、余分に空気を捨ててみました。(400㎥とありますが、計算を簡易にするための数字です)そうすると、50㎥ずつ出入りしていたはずのスティーベルは、流入空気だけが150㎥となります。実に捨てる空気の3倍の量が入ってくるわけですね。
それを、熱交換換気がメインで働く場合と、他に吸い取られてしまう場合で比べてみたのが以下の画像です。
熱交換換気がメインで働く場合
まずは普通に熱交換換気メインで動かす場合、排気時に熱をため込みます。室内気温は23度です。
そして給気、70秒かけてだんだん吹き出し口の温度が下がりますが、一番下がって14℃、平均給気温度は18.4℃です。この時の外気温は9℃、なので、熱交換効率は概算で68%です。
熱交換換気を通さずに排気する場合
それを、家全体で排気のみ、風量を上げると、温度は早々に10℃まで下がってしまい、平均給気温度は14.3℃、熱交換効率は40%です。
如何でしょうか。生活の設定だけで、室温が4℃下がるわけですね。
熱交換換気はやみくもに使えば良いものではありません。
システムの特徴をしっかりとつかんで設計、施工して初めて活きてきます。
勿論、それを最大限活かすための生活のアドバイスも欠かせません。
是非、知識と技術力のある会社で熱交換換気を進めていただきたいと思います。
さて、今回は換気のお話しでしたが、
家づくりにはまだまだたくさんの落とし穴があります。
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