外壁の素材がたくさんあって何が良いのかわからない
ガルバリウムって何?どんなメリットなのか?
新築の外壁選びで後悔をしたくない...
定期的なメンテナンスがあるって聞いたけどイメージできない
この記事を読んでいるあなたは「新築の外壁選びが決まらない...」「ガルバリウムがいいと聞いたけどよくわからない」などで悩んでいませんか?
新築の外壁選びとなると、素材が多かったり、それぞれの特徴やデザインの方向性などで色々と考えることが多く大変ですよね。
この記事では、「新築の外壁選びで考えなくてはいけないこと」や「10年後や20年後に後悔をしないための考えるべきこと」がわかります。
この記事の注意ポイント
本記事では、「ガルバリウム鋼板」について紹介をします。ガルバリウム鋼板の耐久性や維持費の安さは非常に注目するべきメリットです。
ただし、「ガルバリウム」は、錆に弱く、
・海に近い地域
・塩害のある地域
・降雪地域の融雪剤をまく地域
などの条件下では、適さない外壁になりますのでご注意ください。
本記事は「海なし」県での外壁選びにおすすめの記事となります。
ガルバリウム鋼板以外の外壁素材についても、軽く紹介をしていきます。
ぜひ最後までお読みください。
Contents
【そもそも論】10年後、毎年50~100万円のお金が飛んでいく?まずは維持費に備えるべき!
(togetter:https://togetter.com/li/2170071)
今回は「ガルバリウム鋼板のコスパの良さ」や「新築の外壁に迷わない考え方」がテーマです。
まず考えなくてはいけないのが、
戸建て住宅に住み続けるためには絶対にかかるのが維持管理コスト。
上記の画像はSNSで話題になった投稿です。これはすごく貴重な情報ですね。
というのも、今、SNSで家づくりの情報を集めていると、どうしても、築数年が浅い方の投稿が多いので、
10年後、20年後のリアルなメンテナンスコストについての発信を見る機会はあまりありませんでした。
家をしっかり維持管理しようと思うと、10年過ぎたら毎年50~100万円のお金が飛んでいきます。
(※家電交換含む)
私も住宅業界に入って20年以上経ちますが、普通の家はやはりこういうものです。
新築の時にかけるお金というのは、夢に向かっての投資みたいなものですので、
皆さんは喜んでお金を出されます。
しかし、維持管理の為のお金を「喜んで払いたい!」
なんて人は誰もいません。
誰もが払わなくて済むのなら払いたくないお金ですよね。
これまで家のメンテナンスのためのお見積を提示して、お客様の渋い顔を見る...
そんな経験を私自身も繰り返してきました。
せめて、
- 「自分が設計する家は、建てた後にかかるお金が最小限になるようなものにしよう」
- 「私がいま設計している家たちは、20年後は恐らく私の息子が、メンテナンスに訪問するはず」
- 「私のお施主様が私の息子に、渋い顔を見せるシーンが無いようにしたい」
そんな想いで私はお仕事をしています。
家を建てた時にお客様が持つ、「きれいだね、かっこいいね」という感情はそんなに長く持ちません。
築5年もすれば、暖かい涼しいという評価がほぼ全てになり、
築10年以降は、痛まないから助かるというのが何よりの評価ポイントとなります。
10年後の維持費を考えて家を作るのならば「ガルバリウム鋼板」
弊社の施工事例で、圧倒的に多いのが、ガルバリウム鋼板の外壁です。
シームレスな塗り壁もかっこいいと思います。木目の板壁もかっこいい。
しかし、圧倒的に多いのはガルバリウム鋼板の外壁です。
なぜ、こうもガルバ率が高いのかといいますと、その耐久性になります。
ガルバリウム鋼板の弱点と言えば、錆です。
塩害のある地域などは、定期的な洗浄が必要です。
しかし、海なし県の岐阜だとガルバリウム鋼板の外壁というのは、文字通り圧倒的に痛まない。
弊社が初めてガルバリウム鋼板の家を建てたのがもう30年前です。
その後、その家はまだ1度も外壁のメンテナンスをせず今に至ります。
しかし時を同じくして、窯業系外壁材という物が一世を風靡するように。
いわゆるサイディングという外壁材の事ですね。
弊社の施工事例も、90年代から2000年代にかけてはサイディングの家が多く建てられました。
ガルバリウム鋼板の家もちょこちょこと建ってはおりましたが、柄も色も数パターンしかない外壁素材よりも、何百という種類から選べるサイディングの方が人気でした。
まだその頃はメンテナンス性に天と地ほどの違いがあるとは気づいていなかったんですね。
2000年代後半くらいになると、サイディングの家が10年程度で、みすぼらしくなることが分かりまた次第にガルバリウム鋼板の外壁が増えてきました。
2010年に従弟の家を建てる時、本人はサイディングを希望しましたが、私や従弟の両親はガルバを勧めました。結局、サイディングにしましたが、つい数年前に外壁のメンテをすることになりました。
幸い、メンテナンスに向けての積み立てはちゃんとできていたのですが、
これが寝耳に水の出費だったら、凄く嫌な気持ちになるはずですよね...
現在、サイディングの採用率は弊社の場合、年に1件あるかどうかになります。
8割がガルバリウム鋼板、残りの2割が塗り壁や板壁です。
正直、デザイン的には、ガルバリウム鋼板以外の物ももっとやってみたいです。
しかし、コストを含めた外壁の生涯コストを考えると、その差は歴然。
それこそ60年みたいな単位で、生涯コストを考えていくと500万円以上の差が付く事に...
「我が家はガルバリウム鋼板じゃないから子どもの大学は諦める...」
そんなギリギリで家を建てるという人はいないと思いますが、そのくらいの金額の差がつきます。
お施主様が、板張りや塗り壁をやってみたいというご希望があれば喜んで対応しますが、こちらからごり押しするのはちょっと気が引けてしまいます。
ちなみに、「昔はダメだけど今の窯業系外装はそんなことない」
という言葉は、かれこれもう20年くらい聞いております。
確かに耐久性は少しずつ上がっているようにも見えます。
しかし、素材の壁を超えるほど耐久性が上がっているかというと全くそんなことはありません。
メンテナンスなしで50年!?木板で作る外壁、板張りはとにかく安い!
「とにかく生涯コストを安くする」
その観点で見たときには、実は木板で作る外壁はとても優秀です。
そうなんです。木板も紫外線に当たったり、雨に当たったりすると確かに変色していきます。
最初は白っぽい灰色に変色します。その後は次第に黒くなります。
真っ黒になった木板の外壁。見た目は悪いかもしれませんが、これ、傷んでいるかというと、実はそうでもありません。
昔の蔵で、厚み僅か4mmの板が、100年近く中の土壁を守っている。
よくある話です。
全体に足場を建ててやるメンテナンスより、部分的に張替が出来るメンテナンスの方が予算は抑えやすいです。
あとは、軒がしっかりと出ていること。
木材が乾く暇もないほど雨が当たるような感じにしますと、不朽が早く進みます。
軒をしっかり伸ばしたうえで、
黒くなってもいいじゃないかという気持ちで採用する板張り外壁は、生涯コストが最も安い。
板張りの外壁は、経年変化を楽しめるのであれば、実は最も耐久性の長い材料です。
岐阜の田舎を車で移動すると時々こんな感じの建物を見かけると思います。
ノーメンテナンス50年選手なんてのも珍しくは有りません。
木は黒く変色してもその性能はさほど変わりません。
あとは、濡れても乾く施工の仕方さえしておけば、ほぼずっと長持ちします。
木がお金がかかるというのは、いつまでも白木でいてほしいとか、
ペンキが剥げてほしくないとか...いろいろと欲が出てコストが高くなってしまうんですね。
【特別紹介】ノーメンテナンス×イージーメンテナンス!?「ガルバ✖️板張り」の組み合わせ
こちらの建物は数年前完成したお家ですが、
一階の手の届くところだけ板張りで、後はガルバリウム鋼板です。
ノーメンテナンスと、イージーメンテナンスの合わせ技ですね。
板部分には日射と雨が当たらないよう、庇の寸法をmm単位で設計しました。
お引き渡し時に、「木の壁の塗り替えはご主人のお仕事ですからね」
とお願いをしてしまいました。
凰建設にメンテナンスの依頼をするのと、自分でやるのとでは、金額は倍ほど違いますからね。
皆様の家には皆様の考え方に合った素材や設計をしていきたいといつも願っております。
30年前にガルバリウムで建てた家は1度もメンテナンスをしていません
弊社は今年で創業65年になります。
「建物を建てて、メンテナンスをして、そして取り壊す」というサイクルを、何回も繰り返してきた会社です。
後でお金のかかる家をつくって、お客さんに怒られたという経験が、創業10年ほどの会社さんとは圧倒的に違うんですね。
30年前に初めてガルバリウムの外壁を採用したお施主様とは、今でも非常にいい関係です。
なぜならば、ご近所が、もう2回も3回も足場をかけてメンテナンスをしているのに、
その家は、新築の時のまま変わらない。
「お宅の外壁はなんで足場をかけて塗りなおさなくてもいいんですか?」と言われる度に、家に対する
満足度が上がっていくんです。
サイディングの家は逆です。塗り直しの見積を持っていく度、
「またお金がかかるのか」と友好度が下がってしまうのを感じます...
決定的になるのは、お施主様が退職された後。現役の時であれば、まだお金を工面できます。
しかし、収入が無くなった後の大きな出費というのは、相当堪えますよね。
築古の家に住んでいたら、いつ何が壊れて100万単位の出費が来るかわかりません。
最近は、SNSを参考にして家づくりをする人が増えてきましたが、築年数がそれなりに経った人のこういう意見にも触れられるようになったのは本当にいいことだと思います。
あと5年もすると、
ポイント 熱交換換気のメンテナンスが... 乾太くんのメンテナンスが... 全館空調のメンテナンスが... 食洗器のメンテナンスが... 玄関のオートロックが... 床暖房のメンテナンスが... パワコンの交換が... 蓄電池の交換が...
などなど、いま流行の設備のメンテナンスが大変だという投稿が出てきます。
10年もすると、もっと悲痛な投稿になってきます。
あとでお金がかかる家かどうかは新築の時に決まってしまいます。
どうぞ、家の維持管理で、痛い目を見ませんように。
最後に
今回は新築の外壁について紹介をしてきましたが、
家づくりにはまだまだたくさんの落とし穴があります。
「家づくりに失敗したなぁ」と思う人を一人でも減らせたらと思い、
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