住宅性能って何?
Q値とかUA値とかよくわからない
新築住宅で省エネとかを考えるとすごく高くなる...
良い家を建てて住みたいけど、資金的に悩んでしまう...
今回の記事では、「Q値」や「 UA値」などの聞きなれない言葉を理解することで、どんなメリットがあるのかをご紹介します。
なかなか聞きなれない専門用語で、抵抗がある人でもわかりやすいように、実際に、どのように使えばいいのかまで、具体的に紹介をしていきます。
最後まで読むことで、「住宅性能を高めることのメリット」や「Q値、UA値」を使いこなすことができるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
Contents
住宅性能をお金に換算する方法!家の冷暖房費を事前に把握できる
住宅性能が大切と言われて久しいですが、Q値やUA値がそもそも何のためにあるのかという問いに、明確に信念を持って答えられる方はそう多くはないと感じます。
用語解説 Q値:熱損失係数と言います。室外への熱量の逃げやすさを示した数値で、この数値が小さいほど断熱性が高いことを表現しています。 UA値:外皮平均熱貫流率と言います。住宅全体の熱がどれくらい逃げやすいかを示す数値です。
数値には色々な使い方がありますが、私はこれらの数値たちにはお客様に、
生活する際に必要な冷暖房費をお伝えするという役割もあるのだと考えております。
今はUA値がよく使われますが、「お金に換算」と考えると、Q値の方がいい仕事をしてくれて少し便利です。
Q値の単位はW/(㎡・K)で、温度差1℃、床面積1㎡あたり、
どのくらいの熱が逃げるかという数字です。
例えば、
Q値1.0 W/(㎡・K)で、100㎡の家があったとして、暖房時に外気温より10℃高い室内気温を維持しようとすると、
1.0W/(㎡・K)×100㎡×10℃=1000W(1kW)
1000Wの熱が必要です。
つまり1000Wのドライヤーを付けっ放しにすれば、家中の温度が10℃上がる家ということですね。
ドライヤーなどの電熱ヒーター製品で空気を温めると、
使用電力と発生熱量の割合はほぼ1:1なので、
1kWの消費電力を24時間(h)使い続けると、
1kW×24h=24kWhの電気を使います。
2016年(当時)の電気料金は大体25円/kWhなので、
25円/kWh×24kWh=600円
となります。
この家を1日中、外気温+10℃に暖房するのに必要な金額は600円と算出することができます。
電熱ヒーターよりも効率の良い暖房では、
例えば、暖房時にCOP4.0のエアコンを使用したすると、
暖房費は4分の1に削減することができ、
600円➗4.0=150円の暖房費で済む計算になります。
Q値が2.0になれば暖房費も倍の300円、
3.0になれば450円と、性能が悪くなると暖房費も増えていきます。
このように、性能数値は冷暖房費に置き換えることができるのですが、
問題はそれをどのようにお客様に理解してもらいやすくできるかということです。
【必見】冷暖房費が計算できるワーク!50年後に数百万円の差ができる?
私はお客様や、住宅性能についてこれから勉強していかれる実務者に、家を建てる際、性能の違いがどのくらい冷暖房費に影響するのかを計算するワークをやってもらいます。
まず、希望の面積を入れます。
Q値ごとにシートに従って計算を進めていくと、建物居住期間中の冷暖房費の違いが分かるというものです。
例題では岐阜市で120㎡の家を建てて、50年住んだ場合、
Q値が3.5から1.5まで下がると、334万円の差が出てくることが分かります。
つまり、この条件で新築を建てる方であれば、
省エネに対する投資額が334万円以下であるならば、やった方が得になり、さらに「暖かく、涼しく、快適に」過ごせる
ということになります。
ポイント 実際の冷暖房費は、日照や内部発熱など、様々な要素に左右されますので、もう少し違った値になってきますが、お客様にイメージとしてお伝えする分には、これで十分だと思います。
ちょっとだけ詳しくワークシートの解説
計算の目的は、Q値(W/(㎡・K))を電力料金の単位である(kWh)まで変換することです。単位に注目すると、何を掛け算すればよいのかがわかります。
まず、ワット(W)をキロワットアワー(kWh)にするためには、キロ(K)とアワー(h)が必要です。1000mが1kmになるように、キロ(k)とは1000倍のことです。
アワー(h)は時間です。分母の面積(㎡)は単純に建物の床面積です。
そして温度差(Kまたは℃)が必要な要素です。
面積(㎡)と1000倍(W→kW)は理解しやすいと思います。
簡単に調べる方法としては、「デグリーデー(℃・日)」という指標を使います。ネット検索で「デグリーデー ○○(←家の建つ地域)」と入れれば、大概分かりますので、それを1日=24hで換算すれば(℃・h)が出てきます。
暖房時と冷房時で分けて表記されていることが多いので、通年の光熱費を出す場合は、両方計算して合計する必要があります。ワークシートではこの部分はこちらで計算しておき、岐阜市ならば55652(℃・h)という定数として計算してもらいます。
ここまで計算すると建物に投入、もしくは取り除かなえればいけない熱量(kWh)が算出されます。
あとは、冷暖房設備がその熱量を発生させるためにどれだけお金を使うかということが分かれば冷暖房費を算出できます。
エアコンを例にとると、COPやAPFという数値があり、1(kWh)の電力に対し、どれだけの熱量(kWh)を発生させられるかが表示されております。
APF5.0のエアコンを使った場合、1(kWh)の電力で5(kWh)の熱量を発生させられるということになりますので、25円/kWh÷5.0で、熱量(kWh)当たりの電気料金は5円/kWhということになります。
それを「5倍にする」と表記しております。
あとは、その家にどれだけの期間住むかという想定をかけ合わせればでき上がりです。
30代の夫婦が終の棲家として家を建てる場合、50年という想定が妥当なところだと思います。
ココがポイント
このように、性能数値というものをよく理解したうえで、お客様に分かりやすくお伝えしていくことは、住宅に携わる実務者として永遠に取り組んでいかなければいけないテーマだと私たちは考えています。
最後に
今回は住宅性能と性能数値について紹介をしてきましたが、
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