お客さんに聞かれる質問で、よくあるのが、「どんな断熱材がいいのでしょうか?」というものです。
なるほど、確かに家づくりの本を見てみると、断熱材については色々な言及があり、どの断熱材も良い点、悪い点があり、結局どれがいいのか分からなくなってしまいます。
どの断熱材が自分の暮らしに合っているのか?が大切
これ、結論からすると「何でもいい」なんですよね。繊維系は繊維系の特徴があるし、発泡系は発泡系の特徴があり、それは良い方にも悪い方にも作用します。
すき焼きは冬に食べるには暖かくて良いですが、夏に食べようと思うとちょっと暑苦しいですよね。
風邪ひいたときには消化の良いお粥を食べると良いですが、健康な時には物足りないですよね。
ゴーヤーチャンプルーが好きな人もいれば苦くて食べられない人もいます。
断熱材に限らずですが、どれが一番いいかを考えるのではなく、どの断熱材が、自分の理想の暮らしと建てる場所の特徴に合っているかを見極める事が大切です。
ユーザーの評価を見ても、どういう断熱材を使った家でも、暖かいという人もいれば寒いという人もいて、何が最高かは決められません。
もし、何が最高かの結論が出ているのであれば、そもそも世の中にこんなにたくさんの種類の断熱材がある事自体がおかしい事になってしまいます。
なので、それぞれの断熱材の特徴をしっかりと捉えることが大切です。
それぞれの断熱材の特徴を生かす家づくり
断熱材に求められる性能は
・断熱性(繊維系が低く、発泡系は高いです)
・透湿抵抗性(繊維系は低く、発泡系は高いいです)
・熱容量(繊維系が低く、発泡系が高いです)
・耐火性(繊維系が高く、発泡系は低いですが、これは外部外張り断熱部分に使う断熱材で求められる項目です)
・価格(繊維系が安く、発泡系は高いです)
この特徴を踏まえて、家の充填部分に使う断熱材、外張り部分に使う断熱材を考えることが大切です。
例えば、敷地の余裕がない所ですと、壁の厚みをなるべく薄くしたいので、断熱性能の高い発泡系を中心に組み立てるなど、
その土地、その家族、その建物に合った断熱材を使用することが大切です。
断熱材の種類を吟味するより、快適な家を提案してくれる設計士に相談しよう
そして、どんな断熱材が合っているかどうかをきちんと計算して判断できる設計者に相談することが何より大切です。
少なくとも、壁体の結露計算ができるレベルの設計士さんでないと、断熱材の組み合わせ方が分かりません。
自社で計算ができない会社は、いつもやっている決まったやり方以外の壁体構造は出来ません。
そういう会社さんは、「この断熱材が最高なんです」という説明の仕方をするしかないのです。
凰建設も、デフォルトの断熱構造はあります。しかし、お客様一人ひとりの状況に合わせて、少しずつカスタマイズをしていきます。
「この断熱材を使ってください」という依頼を頂くこともありますが、ほとんどのお客様はその断熱材が自分にとって合っているものなのか、合っていないものなのかを分かったうえで話しているわけではありません。
料理で例えると、シェフに、「ジャガイモを使った料理を作ってください」と頼んでいる感じでしょうか。その人の食べる目的が「ジャガイモを食べる事」であればそれでいいのでしょうが、そうではなく、「美味しいものを食べたい」がより根底の要望だと思います。
あなたは、その断熱材を使った家に住みたいのでしょうか?それとも、健康で快適な家に住みたいのでしょうか?多くの方は後者だと思います。前者に該当するのは断熱材メーカーの社員さんくらいです。
なので、凰建設にご依頼を頂くのであれば、できれば断熱材の種類にはあまりこだわらないでください。私たちは、特定の断熱材を売りたいわけではありません。より、そのお客様一人ひとりに合った、最適な環境の家を提供したいのです。
さて、今回は断熱材のお話しでしたが、
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