暖かくなってきました。
現場のブログなどでも度々登場するキーワードに
「熱橋検査(ねっきょうけんさ)」というものがあります。
今までは、検査しました→合格!という結果報告のみで終わっておりましたが、
実はとても大切なものです。
熱橋って何?
家の断熱力を測る数値に、Q値やUA値というものがありますが、
これは家全体を平均して壁や床、屋根からどのくらい
熱が逃げて行くのかというものを数値化したものです。
木造の建物は、基本的に木と断熱材でできているので、
鉄骨やコンクリートに比べ、極端に熱が逃げる部分というのが少ないのです。
しかしそれでも、構造用のボルトなどは鉄でできておりますので、
断熱材部分のざっと10000倍くらいの熱が逃げます。
一万倍ですよ。いちまんばい。すごいですね。
直径12mmのボルトが構造を貫通している状況と、
面積1㎡くらいの断熱材がぎっしり詰まった壁とは、
入ったり逃げたりする熱がほぼ同じくらいになります。
この場合のボルト部分の事を熱橋(ねっきょう)と呼びます。
読んで字のごとく、熱の橋ですね。
こういう部分を如何に少なく出来るかが、断熱住宅にとってはとても大切です。
Q値に反映されることはありませんが、
こういう部分にこそこだわっていきたいと思います。
熱橋検査ってどういうもの?
真ん中に少しだけ空いている部分を熱カメラで撮ってみると、、
この通りです。
これがあると、熱が逃げるばかりか、温度差で結露が起こり、壁が腐ります。
きちんと被覆されていれば、、
この通りです。
こうやって、熱橋部分がきちっと隠れているかどうかを検査するのが、
凰建設独自の熱橋検査です。
節が梁を貫通していることが疑われる場合は、、
このように、断熱、気密、両方の補強をします。
こだわりの施工が確かな品質を保つ
集成材を使うのであれば、こういう手間はかけなくても済むのだと思いますが、
ぎふの木で家づくりをしたい。無垢の木で性能も出したい。
そのこだわりが、品質を創りあげるのだと思います。
最近はC値0.2前後の数字を出せる事も珍しくなくなってきましたが、
まだまだ改良が必要だと思います。
これも、やったからと言ってQ値が小さくなるわけではありません。
しかし、同じ性能数値のはずなのに、
凰さんの家の方があったかく感じられるね。涼しく感じられるね。
そう言っていただけるのは、こういうこだわりの部分が大きいのだと思います。
ψ値って何?
また、熱橋を表す数字ではψ値(プサイ)という指標もあります。
日本では、大多数の建築業者がその存在すら知りません。
断熱材が屋根と壁で交差する部分、壁同士が角でつながる部分、
そういった部分で、断熱材が線状に薄くなる箇所がありますが、
その数値をψ値と呼びます。単位はW/m・Kです。
熱伝導率と同じなので分りにくいですね。これをどこまで小さくできるかが勝負です。
私は他の設計者と違い、上棟の日は一作業員
(大工さんと呼べるレベルではないので、、)として、現場で仕事をします。
その際、建前の時にしかできない熱橋処理をする事を心掛けています。
天井に隠れる部分であれば沢山熱の逃げやすい建物の角は多めに断熱補強をします。
(表面に見えている部分をふいてくれたのは大工さんです)
多めにやっても、それでもやっぱり角は熱が逃げます。
この通りです。角がYの字に色変わってますね。
ただ、やらないともっとひどいです。
余計なところから熱と隙間風を入れないように、これからもどんどんこだわりの
施工をしていきたいと思います。
現在、C値0.5以下でないと社内基準はクリアしない事になっておりますが、
それが、0.4であったり0.3まで引き下げが出来る様に、
技術を高めて行きたいですね。
長期優良住宅やZEHに認定されるのと、
資格試験に合格したり学生が単位を取ったりするのはよく似ていると思います。
ある基準以上であれば、お墨付きがもらえますが、
基準をクリアした先のレベルは絶対に一定ではありません。
70点合格のところ、71点の人もいれば99点の人もいます。
最低レベルのところで満足するのではなく、基準をクリアするのは当たり前。
せっかくなら最高を目指そうと思います。
さて、今回はψ(プサイ)値のお話しでしたが、
家づくりにはまだまだたくさんの落とし穴があります。
家づくり失敗したなぁと思う人を一人でも減らせたらと思い、
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