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断熱について、窓、壁、屋根、の断熱性能を上げるのに優先順位はどれが一番高いでしょうか?

一般的に家の外皮における窓面積の割合というのは5%前後になります。外皮の断熱性能を表すUA値は、全ての断熱構造の平均値になります。今までは壁の断熱性能に比べ、窓の性能が1/5くらいしかなかったので、5%程度の面積の窓から入ってくる熱が家全体の3割以上になり無視できない値になりましたが、十分に性能の高い窓は、家の性能にそこまで影響することはありません。少しずるい話になりますが、窓が全くない家を設計しますと、グラスウール100mm程度の断熱でもUA値が0.4を下回り、G2グレードの家になります。

順番的には、まず窓の性能をUw値1.5以下の物(LIXILのエルスターSやYKKのAPW330相当)にする事、そのあとは窓よりも屋根や壁を中心にU値0.2以下(グラスウールで200mm)を目指す。両方超えたらまた窓をUw値1.0以下の物に変えていくというのが今のところの順番ではなかろうかと思います。

家の性能向上はボトルネックをつぶしていく作業です。高性能な家のどこかに大きなボトルネックがあると、痛みがそこに集中するからです。
また、パッシブハウスクラスまで行きますと、既製品の窓の性能限界が来てしまいますので、後は壁や屋根で性能を上げていくしか方法がないというのもあります。
コーナー窓をつけたいのですが、耐震性能などに問題は生じますか?
窓が無くて壁だった状態と比べれば間違いなく耐震性は劣ります。
しかし、コーナー窓が絶対ダメかというと、それは家全体のバランスによりけりです。
私個人としては、積極的にコーナーに窓を付けるというのはやっておりませんが、絶対にタブーにしているという事もありません。
何事もバランスが大事です。
瓦屋根の家を建てたいのですが、台風被害のニュースを見てると不安になります。ガルバやコロニアルの方が台風に強いのでしょうか?風害に強いオススメの屋根材がありましたらご教示ください。

決して瓦屋根が台風に弱いというわけではありません。簡単にしか留め付けていない瓦が台風に弱いだけです。

沖縄の伝統的な瓦屋根の様に、瓦の周りを漆喰で固定することで台風には随分強くなりますし、全部の瓦を釘止めビス止めにすることでも耐風圧性は随分と高まります。ガルバやコロニアルでも本体や釘の腐食が進めば台風に負けて飛んでいきます。
ちなみにコロニアルは素材そのものが劣化して行きますので、留め付け方が良くても、コロニアルが折れて飛んでいくという事件が昨年の台風で報じられております。
最近は瓦かガルバリウムしか屋根材では使っておりません。
壁内の結露、カビ対策について伺いたいです。冬は室内からの湿気を壁内に入れないようしっかり気密をとるのが基本だと思いますが、夏に関してはどうすればいいのでしょうか?夏は外の方が湿度が高いのでエアコンにより室内が冷やされた場合、壁内で一番室内に近い部分が結露してしまうのでないか心配しています。

夏型結露の心配ですね。心配されるお気持ちは大変理解できます。理論上、夏型結露は発生し得るものですから。

例えば、夕立が有ったりすると、コンビニの窓ガラスが曇ったりします。車の運転中、冷房をダッシュボードから吹き出す設定にすると、フロントガラスの外側が結露を起こします。
これが生活するうえで身近に起こる夏型結露ですね。

では、これが家の壁の中で起こりえるのかどうかという事について考えてみたいと思います。
夏の冷房時の室内温度が例えば26℃だとします。壁内で一番室内に近い側が、そのまま26℃になったと考えますと、その時の飽和水蒸気量は21.35g/kgです。この、21.35g/kgという水蒸気量になるタイミングは、一年でどのくらいあるのかという話ですが、2019年の岐阜県岐阜市の夏の実績ですと、8/16の午前10時から正午までの2時間だけ、この値を超えております。
夏は湿気が高いのは事実なのですが、住宅で常識の範囲内でエアコンの温度設定をして生活をしている限りでは、壁体内の夏型結露というのはそんなに発生しないというのが答えになります。

結露を起こすかどうかは、絶対湿度に対して露点温度を下回れば結露するという単純な物理の話です。

夏の結露でもっと心配なのは、明け方の放射冷却によっておこる自然結露です。草に朝露が付いたり、朝靄が発生したりというのもこの現象が手伝っております。
住宅で言えば、屋根の裏側などでこのような現象が起こる可能性があります。

これを防ぐためにはやっぱり家に断熱を施し、家中のあらゆる箇所がどんな季節でも露点温度以下にならないようにするというのが最も効果的な対策になります。
調湿気密シートを使ったりという対策もよくなされますが、そんなことよりも、真っ向から断熱に取り組むほうが先です。ヨーロッパ北米並みの断熱をして初めて、調湿気密シートを考え始めましょう。
一定の基本性能を有したお家で、二階リビングで吹き抜け等を設計しない場合、一階の空調はどのように考えられますでしょうか?一階に洗面所、風呂場、子供部屋、親の部屋があり、プライバシーを考え、開放的な間取りではなく個室を想定しています。 この場合、各部屋にエアコンを設置することになるので電気代を心配しています。

その場合、方法は2つあります。

各居室に個別のエアコンをつける方法が一つ。

もう一つは廊下の天井などにアメニティエアコンと呼ばれる種類のエアコンを取り付けて、各室に冷気暖気をダクトで運ぶ方法です。個室の数が2部屋であれば、各室のエアコンの方が良い気がしますが、3つ以上の部屋に分かれるようであれば、アメニティエアコンを検討しても良いと思います。

一つ注意点としては、アメニティエアコンによる集中冷暖房方式ですと、各部屋の温度を個別に上下させることが難しい為、温度の快適ゾーンの違う人がいる場合、エアコンの温度設定でトラブルが起きたりします。
施主さんのご希望が最優先だとは思いますが、特に指定のない場合、物干し場は室内と室外、どちらに設置することをオススメされていますか?
性能の高い家であれば室内で十分です。
物干し場に求められるのは、とにかく大きな気積です。
吹き抜けに面した廊下やリビング等、沢山の空気がつながっている空間であればよく乾きます。
2階の寝室に畳を敷いて、その上に布団で寝ようと思ってます。合板の上に畳を敷いている場合、畳と合板の間で結露すると聞いたのですが、どのような対策をしたら良いでしょうか。

家の性能が高ければ結露はほぼしません。

この場合、結露というよりも就寝中に人体から放出される水分によって、布団、そして畳の相対湿度が高まり、カビやダニの発生する可能性があるというのが一番のリスクだと思います。
布団を敷きっぱなしにせず、時々めくって布団の裏側を室内の空気に晒してあげるだけで大丈夫です。
気になるようであれば、畳を定期的に起こして、畳の裏も空気に晒してあげると良いです。
性能の高い家であればそれだけで良いです。
太陽光発電やIHなどは電磁波の問題はないのでしょうか?両親がテレビでそのような情報を見たと言って心配しております。
電気製品を使えば必ず電磁波が発生いたします。
勿論対策をするに越したことはありませんし、対策の方法も色々と考えられております。
一点質問ですが、ご両親はドライヤーや電気シェーバーを使ったことはありませんか、他にもホットカーペット、暖房便座、電動歯ブラシ、マッサージチェアなど、IHよりも危険性が高いと言われているものは、ご両親の身の回りにも沢山あります。
ご心配でしたら環境省が電磁波についてまとめた冊子を発行しておりますので、お目通しいただければと思います。
ちなみに、電磁波はアースを取ることで随分と軽減されます。日本は基準の電圧が100Vと、全電気製品にアースを取る必要がない電圧であること、世界でも家の中に家電製品をおく数が多いことから、日本の家は電磁波は強いと言われています。日本でも全てのコンセントにアースを取ると、電磁波の影響を軽減させることができますので、どうしても気になるのであれば、検討してみても良いかもしれません。
制震ダンパーの費用対効果をどうみますか?
制振ダンパーの費用対効果は難しいです。
というのは、各種耐震関係の部材というのは、毎年確実に効果の出る断熱とは違い、地震が来なければ、建物の一生のうち、一度も使われずに終わる可能性もあるからです。
大地震に見舞われることなくその生涯を終える古民家もよくあります。
耐震制振免震の部材選定については、「保険」のレベル設定だと解釈をしていただいた方が良いかもしれません。
どこまでを想定して建物の強度を担保しておくか。当然強い保険(等級3+制振)をかけておいた方が何かがあった時にも安心と言えます。
制振部材にはダンパー系、テープ系などがありますが、少し気をつけた方が良いのが、最初から制振部材として効くものなのか、それとも最初は耐震部材として働き、耐震部材として限界を迎えてから制振部材として効くものなのかということです。
どちらかと言えば最初から制振部材として働くものを選んだ方が、家全体として、耐震部材の痛みを防いでくれるようです。
費用対効果というテーマではお応え出来ておりませんが、制振部材についてはこのように考えております。
スキップフロアを採用するメリット、デメリットはなんでしょうか? 横の広さをとれない分、縦の空間をうまく使えればと思っています。
スキップフロアのメリットはなんと言っても空間の縦方向有効利用だと思います。高さを上手く利用すれば、普通の2階建の建物が5階建みたいな雰囲気にすることも出来ます。

また、平坦な住宅地の場合ですと、隣の家と窓の高さを変えて設計しやすいので、視線をずらす効果もあります。

デメリットとしては、やはり構造についてです。
床が一枚の構造になりませんので、構造的には不利になります。梁の高さ方向内で納まる程度の(20cmくらい)高低差であれば、一体の床としてみなせるなどのルールもありますが、基本的には構造的に不利です。
さらに、家の中に細かな高低差が付きますので、バリアフリー的に欠点になる可能性もあります。
24時間換気をダクト式で行う場合は、設計段階から高さの検討をしっかり行わねば、天井が取れなく生活に支障がでるという可能性もあります。

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