Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
新着のご質問
- 断熱引戸は気密性は低いため、貴社では使用されませんか?
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使用しますが、気密の性能はやはり落ちます。
国産サッシの最高等級グレードの断熱引き戸が1軒の家に2つまで位に抑えたいとは思っております。
- ウッドフェンスや外壁の一部に杉板貼りを考えています。濡らさない計画が必須と回答されていましたが、どうしても濡れてしまう部分の保護材はどのようなものがありますでしょうか?おすすめはございますか?
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雨ざらしの厳しい条件下では、保護材に注力するよりも、外壁を簡単に交換できる工夫をするべきです。
ステンレスのビスなどで、一枚ずつ交換が出来るようにしておきます。
材料も特殊なものは使わず、普通に地域で流通している木材を使い、保護塗料はウッドロングエコやエコウッドトリートメントなどの、水で溶いて使う物であればメンテナンス時までの長期保存が可能になります。
- 第3種換気を計画する上で、機器の配置や選定に重要な点はありますか?
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第三種換気は自由度が高い分、設計者の換気空調に対する理解や知識技術の差が大きく出てしまいます。
大前提として、気密がきちんととれているかです。 C値1.0は切っていないと何を考えても無駄になります。 そのうえで、季節に合わせて給気の方式を変えるという事をお勧めしております。
冬は内外温度差に伴い、家の内外に圧力差が生まれます。気球をイメージしてもらえると分かりやすいのですが、暖かい空気が膨張して上に行こうとするため、1階の給気口から大量に空気が入り、2階の給気口からはほとんど入ってこないか、もしくは2階の給気口から空気が外に出ていく状態になります。 つまり、冬は1階が過換気、2階は換気不足という状況が生まれやすいです。1階が沢山換気されるという事はその分1階だけが冷えやすく、2階はあったかいのに1階はちょっと寒く感じるねという事になりやすいです。
なので、私の場合はざっくりと家の中の圧力分布を計算して、給気口の配置や、その開閉設定を決めるようにしております。 圧力分布を計算する過程で、浴室やトイレに設置する換気扇機器の静圧をカタログから読み取り、中性帯(圧力がゼロの高さ)がどこに来るのかを計算しておく必要があります。 給気口の空気をどこから取り入れるのかというのも重要な要素になります。給気口の先を大気に開放する方法と、壁体内通気層の空気を入れる方法がありますが、冬の南側や西側の壁体内通気層内の空気はそれなりに暖められているため、暖房負荷を低減してくれますが、夏は非常に高温の空気が入り逆に増エネになります。
なので、夏の空気を入れる給気口は大気に開放すべきであり、冬の空気を入れる給気口はなるべく壁体内の空気を入れるべきです。 断熱のレベルにもよりますが、冬のピーク時に暖房負荷のうち2割から3割を換気が占める事になります。機器の選定や配置により、第三種換気でも最大50%程度(全体で言うと1割から1.5割ですね)換気からのエネルギー損失を抑える事が可能になります。
年間の冷暖房エネルギーが10万円だとすると、設計の工夫だけで1万円くらい削減できるイメージになります。
- 室内干しができる洗濯室を間取りに盛り込みたい場合、換気経路や窓の配置、送風機の設置など、一緒にプランニングすべきことはありますでしょうか?
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まず、計画している洗濯室が本当に乾く仕様の建物性能になっているかどうかが一番重要です。
断熱と気密のレベルがどの程度保たれているかです。 そのうえで、大切にすべきことは、洗濯室が気積の大きな空間に接しているかどうかです。空気中の湿度の拡散力は、温度の拡散力よりもはるかに高く、建築環境工学では「瞬時一様拡散」という概念で捉えられております。つまり、空気がつながっていれば、湿気の移動はほぼ一瞬ですよという事です。
なので、洗濯室が気積の大きなリビング空間などにつながって、洗濯物が乾くときの湿気が家の中に効率よく拡散されることが大切になってきます。 もし、洗濯室を締め切って、換気による空気の流れだけで乾かそうと思った場合を計算してみます。 夏ですと、家の中の空気が26℃60%くらい。洗濯室から排気される洗濯物から蒸発した水分を含んだ空気が26℃90%くらい。換気扇は普通の住宅用100Φで、流量が45㎥/hだったとすると、1時間に排出される水分量は340gです。8kg程度の容量の洗濯機で洗ったものが完全に乾くまでに1日近くの時間がかかる計算になります。
これでは生乾きの匂いがついてしまいますね。 なので、なるべく大きな気積の部屋にさっさと湿気を逃がして、後はエアコンの除湿で速やかに水分を家の外に排出するのが得策になります。大きな気積の部屋と洗濯室との空気を沢山入れ替えてあげるのは良い事ですので、そういう目的で送風機を取り付けるのは良いと思います。
冬の場合は、元々家の中は乾燥しがちです。 適切に暖房さえしておけば、乾くのはあっという間だと思います。 (繰り返しになりますが、家中を暖房して暖かくすることに耐えうる性能が無い家ですと、非暖房室で結露を起こしたりしますので、住宅の性能が高いことが大前提です) ちなみに窓ですが、乾燥室に窓を設けて窓を開けるのは、逆効果になる場合が多いのでやめたほうがいいです。
- 一般の方がマイホームを建てる場合、今現在おススメの太陽光設備はどのようなものでしょうか?
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一例ですが、YKKap×ハウステンボスや、LIXIL×東京電力の手掛ける、新築用初期費用無料太陽光セットが良いように思います。
しかし、現金で載せるのか、ローンなのか、ローンなら金利や減税幅はどうなのか、家族構成はどうか、家族の労働状況はどうか 家の昼夜の消費エネルギーはどの程度か等により答えは異なってくることご了承ください。
- 将来的に電気代が上がることを見込んで、自家消費目的で太陽光発電を載せようと思ってます。蓄電池が高額ということもあり、新築時ではなく将来の屋根のメンテナンスや改築時に載せるのはどうでしょうか?
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しいて言えば新築時の屋根材の選定となります。
瓦や縦ハゼ葺きの板金の場合は太陽光を取り付ける際屋根材に穴を空けずに施工できたりしますが、横葺きの板金やコロニアル系の屋根の場合はどうしても屋根に穴があくことになり、雨漏りリスクが問題点となります。
また、高性能な家の場合は新築後に壁に穴をあけることが大変ですので、分電盤から外部までの配線が出来るように、予備の貫通穴をあけておくと良いです。
電池の技術は日進月歩ではありますが、それでも電池は時間が経つにつれて容量が低下致します。
なるべく蓄電池に頼らないような自宅の設備計画を立てる方が良い気もしております。
- 工務店さんに希望の温熱環境を伝えるために、現在のアパートの温度湿度を測っていきたいと思っています。おすすめの機器などありますか?
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新居に移ってからも使えるNetatmoをお勧めしております。
温度湿度、CO2濃度、気圧、騒音が測定・記録出来てお値段もお手頃、デザインも良いです。
精度を要するのであればおんどとりなどでも良いかと思います。
いずれにしても置き場所は寝室をお勧めしております。
- 第1種換気を導入検討しています。ダクト有無など様々な機種が販売されていていますが、機種選定のポイントを教えて下さい。
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ダクトの無い第三種換気、もしくは大径スパイラル管を用いた第一種(熱交換)換気をお勧めしております。
弊社では、ダクトレス第三種をベースにした空調換気システムを専用に設計するか、海外製のメンテナンス性を考慮したダクト式換気システムを紹介しております。
海外製で大口径ダクトを使うことで日本製のシステムを使うのと比べ金額は1.5倍程になりますが、メンテナンスが難しく使い捨てになるよりも長く使えるものを提案したいと考えております。
- 基礎断熱は基礎内・基礎外がありますが、それぞれのメリット・デメリットはありますか? またその地域・環境などは採用可否に影響しますか?
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基礎や床の断熱において、いかなる場合もこれが最高というものは有りません。そのため、様々な条件に合わせて、最適なものを選択する形となります。
基礎断熱の断熱材が基礎内・基礎外にあることによる一番の違いは、基礎の熱容量をどのように捉えるかです。石の上にも3年という言葉があるように、コンクリートは比較的熱を貯める量が大きく、なかなか温まりにくく冷めにくい性質を持っております。
ざっくりと計算をしますと、30坪程の家において外気温+15℃の床下温度を維持しようとすると約90kwhの熱をコンクリートが吸い込みます。これは2.8kwのエアコンがフル稼働して32時間後にコンクリートの蓄熱が完了するという計算になります。
完全に冷え切ったコンクリートを温めるのに、1日半かかるという事です。逆に、エアコンを止めても温まり切ったコンクリートが完全に冷めるまでは長時間にわたり熱を放出し続けてくれます。この性質を生かすか生かさないかが、まず一番大きな分かれ道になります。
温まりにくく冷めにくい家にしたければ基礎外断熱、温まりやすく冷めやすい家にしたければ基礎内断熱というのが一番オーソドックスな考え方になります。
全館連続暖房をするのであれば、基礎外断熱のほうが向いており、暖房を間欠運転するのであれば、基礎内断熱のほうが向いております。
地域、土地、環境については、北日本に行くほど基礎外断熱、西日本に行くほど基礎内断熱の傾向が強くなります。これは、凍結深度の問題があると基礎外断熱のほうが便利で、シロアリの題があるほど基礎内断熱のほうがリスクが低いという理由が大きいです。
コスト面に関しては、基礎内断熱のほうが若干コストが安いです。基礎外に断熱材を施工するためには、断熱材自体がシロアリを寄せ付けない効果を持ったものを使いますので、その分若干高くなります。
- 一般的に透湿抵抗が高いと言われるフェノバボードを断熱材として使用した場合でも、室内側に別張りの防湿シートは必要なのでしょうか?
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フェノバボードはロックウールやグラスウールの100倍、吹付の発砲ウレタンなどと比べても10倍程、透湿抵抗が高いため、端部の防湿処理がしっかりしていれば別張りの防湿シートは不要というのがテンプレ通りの答えだとは思います。
ただ、これも言い切るのは非常に危険で、外壁が通気層無しのトタンだったり、構造用合板にアルミシートの付着したプチプチを遮熱工法などと言って直貼りしたり、フェノバボードよりもはるかに透湿抵抗値の高い建材を施工してしまうとか、北海道の気候で家を建てる場合とか、防湿フィルムが必要になってくるケースはいくらでもあります。
フェノバボードはロックウールやグラスウールの100倍、吹付の発砲ウレタンなどと比べても10倍程、透湿抵抗が高いため、端部の防湿処理がしっかりしていれば基本的に別張りの防湿シートは不要です。
ただ、お住いの外壁の素材や環境などににより、防湿フィルムが必要になってくるケースはあります。