Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
新着のご質問
- 私は自然素材の簾の雰囲気が好きなのですが、日射遮蔽をする際にYKKのアウターシェードなどと比べて遮蔽率など大きく変わるものなのでしょうか?
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すだれの評価に関しては、実は定まっているとは言い難いです。例えば日本の研究チームの評価では、すだれは外付けスクリーンよりも性能が高いという評価をされていますが、海外の研究チームの報告ですと、すだれよりもスクリーンタイプの物の方が遮蔽性能が良いという評価になります。これは実験する環境によって評価が大きく異なるという捉え方も出来るかと思います。光の透過量という点では、隙間のあるすだれよりも隙間の無いスクリーンの方が優れているのは間違いありませんが、すだれは竹や葦といった細い中空パイプの植物で作られておりますので、素材裏面の温度はスクリーンよりも低いです。そこから放射される輻射熱の影響を考慮すると、すだれの方が高性能という結果もあり得る話です。様々な条件によって前後しますが、窓から極力離して取り付けるスクリーンが85%程度の遮蔽率、すだれが75%程度の遮蔽率というのが現実的な数字ではないかと考えております。ではこの10%の数字がどの程度の差につながるかという事ですが、冷房期で東西南面の窓が20㎡あり、300W/㎡の日射が300時間続くとします。すると、20×300×300÷1000(最後の÷1000はWh→kWh)=1800kWhというのが窓に当たる日射のエネルギーになります。ガラスの遮蔽性能が50%だったとして900kWh、更に85%カットのスクリーンだと135kWh、75%のすだれだったとすると225kWhがそれぞれ室内に入ってくる日射エネルギーになります。COP3.0のエアコンで冷房をした場合、スクリーンの場合45kWh、すだれの場合67.5kWhが日射熱を打ち消すための消費電力となります。電気代が28円/kWhの場合、スクリーンは1260円/冷房期、すだれは1890円/冷房期という計算になります。ちなみにスクリーンもすだれもない場合ですと、8400円/冷房期という数字になりますので、やはり日射遮蔽の工夫は必須と言えます。すだれにするかスクリーンにするかは、好みで決めて頂いても良いかと思います。
- 凰建設では焼杉の外壁はやっていますか? もしやっているなら、ガルバリウムと比べてどのくらい高くなるものなのでしょう?
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勿論採用することは可能です。杉板の単価はガルバリウムとほぼ同等ですので、焼く手間と施工の手間の分だけ高くなります。もし、建築予定地が十分に広くて、そこでご自身の手で杉を焼くことが出来れば、焼く手間は省くことが出来るかもしれません。ちなみに焼く手間は5分/㎡程度かかりますので、200㎡分焼こうと思うと丸二日程時間がかかります。職人さんの道具が真っ黒になるため道具をきれいに掃除する手間も含まれていきますので、諸々やっているとガルバの倍くらいになってしまいます。余談ですが、薄く焼いた杉を床に使う事も出来ます。焼杉が大好きであればそこまでやってみてもいいかと思います。
- 温熱環境やコストを考慮すると、総二階建てで東西に長い長方形の形状が有利だと解釈していますが、間違いはないでしょうか? また、東西に長い長方形とは、長辺と短辺の比率はどのくらいが有利でしょうか?
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おおよそのイメージで言えば、総二階で東西に長い建物というのは間違いではありませんが、そのバランスを聞かれると、答えは「地域による」になります。
日本海側はより正方形なバランスに近く、太平洋側はより平たい長方形になります。というのは、南の窓から期待できる日射取得量が全く違うからです。日射取得が期待できない地域ほど、純粋に熱損失の少ない正方形の建物が有利になり、日射取得が期待できる地域ほど、南の面を増やしたほうが良いからになります。
しかし、現実には、土地によって東西の長さは決まってくることが殆どで、希望する大きさによって南北の長さと縦横のバランスが決まるという事になります。土地選びの際に、そこまでこだわって探せば、ベストなバランスの建物は見つかるかもしれませんが、そこまで計算できる人がそもそも日本でも数えるほどしかおりませんし、そういう方に計算しながら土地探しをしてくださいと頼むのは、それだけでもそれなりのコンサル料がかかるので、買った土地に合わせて最適なパッシブデザインをするというのが、やっぱり現実的なのではと思います。
- 断熱に関して、アクアフォームで壁が90mmで、屋根が300mmを考えているのですが、断熱性を上げるため、壁だけをアクアフォームneoに同じ厚みで変えようと思っているのですが、どうでしょうか?コスパのいい方法があれば教えてください。
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アクアフォームNEOを使ったことがありませんので何ともですが、数字だけ見ますと、1.5~2倍程度の性能になりますので、壁と屋根のバランスは良くなるような気がします。どこの地域に建てるかにもよりますが、基本的にアクアフォームを使った場合は、防湿フィルムは必須になります。もし、防湿フィルムを用いずにアクアフォームだけで施工する見積もりが出ているようであれば、必ずその仕様で、その地域で、壁体内結露、屋根内結露をしないという計算根拠を出してもらうようにしてください。勿論、それは質問者様が検算できるようなものではないと思いますが、後々揉めて裁判等になった際、強力な証拠になります。アクアフォームは手軽に気密が取れますし、断熱材の厚みが確保しやすい断熱材になりますので、採用する会社さんも多いですが、湿気関係で失敗する人も一定数いらっしゃいます。そこだけ気を付けて頂ければと思います。
- 気密性能ですが、最低でもC値1.0がよいと言われる方が多いと思いますが、30年〜50年後でも同じ気密性能を保てるのでしょうか? もし三種換気などで気密性能が落ちてしまうと当初の換気計画通りにならなくなるかと思います。また、気密を落とさない工夫や落ちた場合の対処方法はありますか?
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気密性を落とさないためにはいくつかの方法が有効です。まず耐震性能を上げる事です。家を固く作り、細かい地震ではびくともしないような構造にしておくことで、気密性能の低下は防ぐことが出来ます。
次に外張り断熱を併用する事です。構造材の収縮も気密性を落とす大きな要因ですが、外張り断熱の家の場合は温度変化による木材の収縮を大きく減らすことが出来ますので、気密性能の劣化は少ないです。
次に含水率の低い木材を使う事です。施工後に木材が痩せるのを防ぐことが出来ます。最後に、細かい振動から有効な制振材を使う事です。大地震の時だけではなく、小さな地震から効果を発揮する制振材を使う事により、構造の変位を抑える事が出来ますので、結果として気密性能が落ちにくくなります。気密性能が経年によりどの程度落ちるか、どんな原因で落ちるかという事は1990年には既に北海道工業大学の研究室にて実測された研究結果が論文発表されております。上記の対策を全て講じた場合、気密性能の低下はほぼ発生しないと思っていただいて大丈夫です。
- G2レベルの性能がある家で二階リビングを採用した場合、一階の床下エアコンによる暖房だけで、二階を十分に暖めることはできるのでしょうか? 一階は間仕切りが多くなり難しい場合、うまく活かせる工夫はありますか?
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出来るかできないかで言えば可能になります。1階であれば、間仕切りが多くとも床ガラリの位置や数で吹き出し量を調整すれば大丈夫です。ただ、おっしゃることを上手く機能させるためには、きちんとした計算が必要です。Q値1.6(G2レベル程度)W/㎡K×100㎡(30坪)×20℃(内外温度差)=3200W(家の総暖房負荷)。総二階だとすると、各階1600Wの暖房負荷になります。例えば1階の足元と2階の室温で空気温度が5℃(K)違う想定でに2階に1600Wの熱を空気に乗せて送りたい場合、1600W÷0.34Wh/㎥K(空気の比熱)÷5K=941㎥/hの空気循環が必要です。(エアコンの最強風量で約800㎥/h)室内にこれだけの空気の流れをどのように作り出すのかという答えを持たないまま設計をしてしまうと、床下エアコンの暖気は2階には届きません。各部屋、そして全体の温度がきちんと均一になる様に設計がなされているのか、その根拠(計算式など)があるのかが一番大事になります。イメージや、定性的な言葉だけではきちんとした性能住宅にはなりません。上記のような計算が出来る設計士さんを訪ねて頂ければ大丈夫ですが、出来ない人の場合は大失敗する可能性もあります。
- 6地域の場合、ua値0.28で第3種換気かua値0.34で第1種換気(全熱交換型)では体感としてはどちらのほうが住み心地がいいのでしょうか? 第3種換気では足元が冷えると聞きますが実際は断熱がしっかり出来ていれば部屋に空気が入ると馴染むとも聞きます。
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快適性という点ではそんなに変わらないと思います。しかし、生涯コストという点ではUA値0.28+3種換気の家の方が50年で100万円程安いと思います。勿論設計によってはもっと差がついたりそこまで差がつかなかったりしますので、お住まいになる想定期間分の光熱費やメンテナンス費の試算を建築会社に出してもらってください。足元の寒さが気になるようであれば、どちらの場合でも床が暖かくなるような暖房計画(床下エアコンや床暖房など)を採用するとなお良いですが、どちらが良いかについては、あなたがどのくらい寒がりかという事にもよりますので、そこは建築会社さんに数値を伴うしっかりしたヒアリングをしてもらった方が良いです。UA値は下がれば下がるほどシームレスに家の中の温度ムラ、冷暖房コストなどが良い方向に変わっていきます。一生涯、住宅を維持管理していく中で、よりコスパが良く、より後で触りにくいのは換気設備よりも断熱材の方です。0.3を下回るまでは、断熱材だけにお金を掛けたほうがいいです。
- 外壁として焼杉を利用したいのですが、焼杉を保つために庇や軒を延ばすのが一般的なようです。 その場合、パッシブデザインの日射取得にどのくらい影響するのでしょうか?
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南面以外の庇はどれだけ伸ばしても構いません。伸ばせるだけ伸ばすのをお勧めします。南面の庇については、ざっくりですが庇の出幅分の0.3倍の高さくらいは陰になります。例えば1m庇が出ていたら、庇から下30cmは日が当たらないと思ってください。その目安で図面を見て頂ければ、どのくらい影響するかは何となく判断できると思います。焼杉が傷んでメンテにお金を掛けるのも、パッシブデザインが犠牲にされて光熱費にお金がかかるのも、結局はお金という同じ土俵、物差しでリスクを測れますので、最終的にどちらがお金がかからないかという観点で良いかと思います。焼杉も1枚ずつ交換できるような施工方法になっていれば、自分でも焼いて交換できますので、メンテは安く済みます。私の考えではありますが、焼杉を外壁に施工する場合は、パッシブデザインを多少犠牲にしてでも、庇を伸ばした方がいいかと思います。
- 基礎内断熱・基礎外断熱どちらで施工されますか?シロアリ対策のため、防蟻断熱材、薬剤などの、どの様な対策を講じておりますか。ご教授ください。
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基礎内断熱、基礎外断熱、どちらもやりますし、両方施工することもあります。
基礎外断熱の場合はスタイロフォームATやパフォームガードという部材を使います。
薬剤につきましては、特にこだわりはありません。白蟻はあまり薬剤ではなく、家の作り方の方で対応していくのが良いかと思います。
- 耐震等級3+制震で検討しています。制震金物、ダンパーなどのお薦めが、ありましたら教えてください。
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耐震等級3+制振ですね。私も両社は必須だと思っております。
制振につきましては大きく分けて2つの考え方で商品が開発されております。
①基本的に耐震金物だけど、許容できる力を超えたらわざと壊れて、それ以降は制振材として働くもの②耐震性は全くないが、最初から制振材として働くもの③その中間くらいの性能で、耐震性はギリギリカウント出来る程度のものであり、割と初期変形から制振部材として働くもの
①の物は耐震等級3を取るための構造計算に入れられることから、よく好んで使われます。②の物は構造計算上は無視されて、純粋に制振だけに効く形になります。①の方が耐力壁としても計算できるので良いように見えますが、①の物が制振材として効くためには一定以上の負荷がかかって変形が大きくなってからになります、簡単に言うと大地震の時にだけ効くという事です。普段の細かな地震に対しては制振の建物にはなっていないという事になります。②は地震に耐える力は一切ありませんが、わずかな地震からでも制振部材として効きますので、日常起こり得る地震で起きる内装のひび割れなどを防ぐ役割を果たしてくれています。私としては、耐震等級3をちゃんと取ったうえで、プラスαで②の制振部材を使う方が、家の為には良いのではないかと考えております。木造住宅で耐震等級3を取るためには、外壁面の構造用合板も内部の筋交いも必須に近いですので、特にこれでないとダメと言うものはありません。南北に長い家などは、窓面にコボットなどの鉄筋ブレース部材を使う事もあります。①が壁倍率を2倍以上取れる筋交い式の制振ダンパー材②は壁倍率を取れない筋交い式の制振ダンパー材や車のサスペンションの様な方杖式のダンパー材、制振テープ部材が挙げられます。③は壁倍率が1倍程度の筋交い式ダンパー材です。