Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
新着のご質問
- パイプファンを使用した第一種一種換気(熱交換なし)で、排気量より給気量の方が多い場合は室内が正圧になる為、気密の高くない家でも隙間風を感じることは少なくなりますか?
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隙間風は無くなりますが、隙間風が入る可能性のある建物でそれをやると、冬季に正圧に乗って室内の湿気を含んだ空気が外皮内に流入しますので、壁体内結露の危険性が高まります。気密防湿工事が徹底されていない建物の場合は、室内は負圧にしておいた方が長い目で見ると良いかと思います。その点だけ気をつけていただければと思います。
- 窓の部分強化で『内窓の設置』がありますが、それ以外の選択肢はありますでしょうか? 外壁を剥がさずに出来るペアガラス→トリプルガラスという窓交換工事は気密・水漏れという観点では大丈夫でしょうか?(YKKのマドリモという商品を見ました)
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内窓の設置、窓の交換、どちらも良いかと思いますが、いずれにしても、「後は窓だけ何とかすれば大丈夫」という状態の家でやるべき工事です。そもそもの断熱性能が足りていない家で、窓だけ何とかしても、結露は止まれど全体的な寒さは劇的には改善しません。窓を交換するのであれば、内装か外装を剥がして断熱補強も一緒にやるべきだとは思います。マドリモの場合でもそれは同様かと思います。
- 秋田の豪雪地帯で東西に長い平屋を計画中です。 ウッドデッキを1820の幅で南面に設けて、一間ほどの庇を設けて豊かな空間にしたいと考えておりました。合わせてパッシブ設計の視点から南面に大開口を設けて冬の暖房負荷を減らしたいです。 しかし、一間もの庇をかけると日射取得を期待できない可能性も出てきまして、森さんなりの最適解を伺いたいです。
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南の庇を伸ばす事と日射取得を得る事は矛盾しやすい物になります。解決策としては、窓よりも十分に高い位置で庇をかける。北下がりの片流れにして1間の軒を作る。半外空間にする部分と日射取得をする為の窓の部分はしっかり分ける。などが考えられるかと思います。東西の長さが十分にあることから、日射取得部分と、半外空間の部分を分けて計画するのが最もデザイン上も使い勝手上も良い物が出来るような気が致します。スケッチアップやホームズ君など、日射取得のシミュレーションができるソフトで、冬季の10時~14時に沢山日射が入るように工夫されると良いかと思います。
- ガルバリウム、トリプルガラスの窓を利用している場合、携帯電話の電波が悪くなると思うのですが、どのような対処方法がありますでしょうか?森さんはどのように対処されてますでしょうか?
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外壁を金属の物質で覆うほどに携帯電話の電波が通りにくくなる問題はよく聞きますね。最も簡単な解決策は、屋内のWi-Fiをしっかり整備する事だと思います。近年既に電話を掛けるというシーンは少なくなり、携帯電話と言えどもWi-Fiにしっかり繋がってさえいれば不便を感じるシーンは殆ど無いかと思います。どうしても携帯電話の電波を強力にしたいという事であれば、仰るように小型の基地局を家庭内に設置するというのが王道の解決方法になるかと思います。
- 熱負荷計算の中の顕熱計算のうち、外皮の熱とサッシからの熱は被ると思うのですが日射を別計算にするのはどういう理由でしょうか?
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ガラスを透過した太陽光線が床などに当たるとそこで熱に変わりますので、外皮やガラスの断熱性能とは別に、日射による取得熱を計算しないと辻褄が合わないことになります。
- 南側ハイサイドの窓の日射遮蔽はどう考えますか? 人が出られる大きさではないのですが、やはり屋根に登ってでも外部に簾などを設置した方が良いでしょうか?南側ですが遮蔽型にしても内部遮蔽で熱は入ってきてしまうものでしょうか?
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しっかり軒を伸ばすというのが良いかと思います。屋根に上って部材を取り付けるのはあまり現実的とは言えないかと思います。遮蔽型ガラスも最終的には有りですが、光が青っぽくなるので、私はあまり南側に遮蔽型ガラスを使わなくても済むような感じにしたいなとは思っております。
- メルマガを拝読しているうちに、LCCM住宅への興味が湧いてきました。建材、納まり、仕様、設備、敷地選び、住まい手の維持管理など、LCCM住宅の建設にはどんなポイントがあるのか、教えていただけないでしょうか?
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LCCM住宅は、建設から運用、解体までのトータル期間でCO2排出量がマイナスになるという住宅になります。省エネルギー性は勿論の事、生産時に発生するCO2も減らしていくことが望ましいとされます。鉄骨やコンクリートよりは木材。木材でも集成材よりは無垢材、人工乾燥材よりは天然乾燥材を使った方が、生産工程でのCO2排出は少ないので、LCCM住宅になり易くなります。断熱材も、出来るだけ自然由来の物を使った方が生産時のCO2排出量は少ないので、そういう物を使うと良いです。また、建設時と解体時の排出が相当なウエイトを占めますので、なるべく長い期間、建物が存続し、太陽光発電などでエネルギーを創り続けるほうが有利になります。ポイントをまとめると、なるべく自然に近い素材で家を建てる。なるべく省エネな家を建てる。なるべく家を長持ちさせる。なるべく創エネ設備を沢山つける。となるかと思います。設備についても同じ考え方で、長く使えるもの、メンテの容易な物を選ぶと良いかと思います。維持管理は直接的にLCCMには関係ありませんが、住宅の寿命を縮めるようなスパンで放っておくような事は避けていただきたいと思います。
- ダクトレス第3種換気の場合に気密を取った場合、風圧がプロペラファンにモロにかかるのでカタログスペックの最大風量で換気計画を立てると換気回数が足りなくなりますか? また風速は常に2〜3mあって、そうなると9-10Paの風圧がかかることになりますがこれも最初から考慮した方がいいでしょうか?
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カタログスペックよりは換気量が落ちると思って設計して良いですが、そういう事も諸々ひっくるめて、換気回数0.5回という、余裕を見た計画になっておりますので、わざわざ増やすという事をしなくても、結果的には丁度良くなることが殆どですので、そのまま設計しても問題ない事が多いです。夏季、冬季で1階2階の給排気口からの流入/流出量が変わる事まで考慮して計画をしたいという事であれば、計算に入れてみるのも面白いですね。
- 「長期優良住宅」の「保全計画」についてなのですが、何千万円も維持管理に必要なモノでしょうか?1万円/月×30年で360万円、2万円/月なら720万円とかなりの金額に感じます。 また、「保全計画」以上に長持ちして計画変更が必要な場合、その手続きは面倒なものなのでしょうか?
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本気で100年以上家を持たせるのであれば、30年で360万円であればかなり安い方、720万円であれば妥当な所というのが実績に近い数字かなと思います。構造が長持ちして計画を変更する際の手続きは、勿論手間がかかるものにはなります。その金額を何と比べるかだと思います。30年後に解体してもう一件家を建てるのであれば、720万円などという金額で済むはずもなく、手続きの手間や申請にかかる時間やコストもリノベのそれとは天と地ほど違います。長期優良住宅というのは、3~4世代、住宅を住み継いでいく事を考えた時に、コストが最小になる事を考えて制度が設計されております。その考え方に理解賛同が出来ないという事であれば、長期優良住宅は重荷になってくると考えます。
- エアコン冷媒管、ペアコイルの保温材厚みについての質問です。 一般的には液管・気管両方とも8mmですが、高断熱タイプのもので気管が20mmのものがあるようです。 メーカーの主目的は結露防止だと思いますが、エアコン運転上の効率アップにも繋がるのでしょうか?
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仰る通り、若干の効率アップにつながります。こだわるのであれば、断熱の厚いものを採用されると良いかと思います。ざっと計算してみると、配管長さが6m、冷媒温度が0℃、外気温30℃の時に20mm被覆で24Wの熱損失、8mm被覆で41Wの熱損失です。冷房期間中2500時間運転したとすると34kWhの差が生まれます。COP3.0、電力料金30円/kWhでエアコンが動いた場合、ひと夏の電気代の差は425円になります。