Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
設計について
- 土地の南面が幹線道路に面しており、防音面で不安です。設計上で注意できる点はありますか?
-
音はざっくりと低い音と高い音に分けて考える必要があります。高い音とは、タイヤの走行音の「シャー」と言う感じの音になります。低い音とは、大型車のエンジン音や走行による振動を伴った音になります。高い音を防ぐために最も大事なのは、密閉性です。音楽を聞くときにイヤホンだと高いシャカシャカ音が漏れますが、耳を覆うヘッドホンタイプですと、高い音はほぼ漏れません。窓を機密性の高いものにする、換気の吸気口をその面に持ってこない、持って来る場合は外壁通気層からの導入にするなどの対策が有効です。低い音を防ぐのは躯体の振動を止めることが大事です。地面が車の振動に合わせて揺れてはどうしようもありませんので、地面の振動を止める目的も併せて地盤改良を行なったり、支持杭を打ち込んだりします。木構造の硬さを上げる目的も併せて耐震の等級を上げたり、揺れにくいようにしていきたいです。また、外壁の素材を重く、厚いものに変えたり断熱材を比重の大きな材料にするのも有効です。まとめますと、家を丈夫でどっしりと作っていくこと、隙間をできる限り塞ぐことに気をつけていくと良いと思います。また、事後の対策として、ノイズキャンセル機能のあるスピーカーを設置するということもできます。今はまだ種類も少なく高価ですが、どんどん金額は下がっていくのではないでしょうか。
- 貴社は芯持材と芯去材の使い分けについてどのように考えていらっしゃいますか?両者はコスト面で大きな違いはありますか?
-
まずコストについては同じ用途の場合、芯去材の方がはるかに高いです。芯持材と芯去材を使い分ける可能性がある部材は柱材になるかと思いますが、余程予算が潤沢にあり、かつ化粧材としての木材にこだわりがあれば、芯去材を使っても良いかと思います。それ以外はほぼ芯持材です。
- 洗濯室について湿度のコントロールのお話がありましたが、やはり洗濯室は他の空間とつながっていない個室というイメージでしょうか?
-
どちらでも大丈夫ですが、乾きやすいのは個室ではなく大きな気積の空間とつながっている洗濯室です。洗濯物は、相対湿度の低い空気をどれだけ洗濯物に触れさせるかが大事です。個室であるならば、洗濯物を乾かして湿った空気を屋内か屋外にどんどん放出して、乾燥した空気を室内に取り込む、個室の気温は出来るだけ高めに保つなど可能な対策を施しておかないと、洗濯物は乾きません。
- 両親との同居を考えております。最近よく見る一階のリビングの一部を和室にして襖で仕切り、リビングを広く見せることもできるし、いざという時に両親も引き取れるといった間取りを目にしますが、プライバシーや防音で両親が落ち着いて生活できる間取りはどのようなものですか?
-
同居の問題はまず前提としてどのような時期、状態で同居が始まるのかがとても重要になります。子供たちの年齢は、自分の年齢は、仕事は、両親の年齢は、仕事は、、と、ライフステージのどの段階で同居が始まるかを想定しない事にはアドバイスが的外れになってしまいます。子供部屋を1階の両親の部屋の上にしてはいけないというのは一般論ですが、そもそも子供たちが独立後に同居の予定であれば、最も静かな部屋になりますし、リビングで遅くまでテレビを見ているシチュエーションがあるのかないのか、そういう時期なのかによって襖で良いのかどうかも決まってきます。教科書通りの事を申し上げれば、完全に独立した部屋で、2階には部屋を設けず、静かに過ごせるようにとなりますが、当然敷地の制約、予算の制約もあります。また、同居は部屋の仕切りだけで済む話ではありませんので、世帯間で事前に話し合う事をお勧めいたします。
- 洗濯室を作りたいのですが、どのようなことに気をつけた方がよろしいでしょうか?
-
洗濯室で重要なのが湿気の取り扱いになります。湿気は夏は不要で冬は必要なものになります。理想を言えば夏の湿気は外に排出し、冬の湿気は屋内に循環できるような仕組みにしておくことが望ましいです。夏用に外に湿気を抜く換気扇を取り付ける。冬用に家の中に湿気を抜く室内循環用の換気扇を取り付けるというのが対策になります。そして、洗濯物が効率よく乾くようにそれぞれの換気扇の風量を設定してあげるとよいです。一般的な洗濯一回分に含まれる水分は3.5kgになります。これは35坪くらいの家の湿度を一日中20℃30%から20℃35%まで加湿出来るくらいの水分になります。この洗濯物を3時間ほどで乾燥させようと思うと、約170㎥/h程度の室内循環ファンの能力が必要になります。乾燥量や乾燥時間は室温や室内の湿度、通風量に大きく左右されますので、詳しくは設計士さんにきちんと計算してもらった方が良いかと思います。
- 室内干しができる洗濯室を間取りに盛り込みたい場合、換気経路や窓の配置、送風機の設置など、一緒にプランニングすべきことはありますでしょうか?
-
まず、計画している洗濯室が本当に乾く仕様の建物性能になっているかどうかが一番重要です。
断熱と気密のレベルがどの程度保たれているかです。 そのうえで、大切にすべきことは、洗濯室が気積の大きな空間に接しているかどうかです。空気中の湿度の拡散力は、温度の拡散力よりもはるかに高く、建築環境工学では「瞬時一様拡散」という概念で捉えられております。つまり、空気がつながっていれば、湿気の移動はほぼ一瞬ですよという事です。
なので、洗濯室が気積の大きなリビング空間などにつながって、洗濯物が乾くときの湿気が家の中に効率よく拡散されることが大切になってきます。 もし、洗濯室を締め切って、換気による空気の流れだけで乾かそうと思った場合を計算してみます。 夏ですと、家の中の空気が26℃60%くらい。洗濯室から排気される洗濯物から蒸発した水分を含んだ空気が26℃90%くらい。換気扇は普通の住宅用100Φで、流量が45㎥/hだったとすると、1時間に排出される水分量は340gです。8kg程度の容量の洗濯機で洗ったものが完全に乾くまでに1日近くの時間がかかる計算になります。
これでは生乾きの匂いがついてしまいますね。 なので、なるべく大きな気積の部屋にさっさと湿気を逃がして、後はエアコンの除湿で速やかに水分を家の外に排出するのが得策になります。大きな気積の部屋と洗濯室との空気を沢山入れ替えてあげるのは良い事ですので、そういう目的で送風機を取り付けるのは良いと思います。
冬の場合は、元々家の中は乾燥しがちです。 適切に暖房さえしておけば、乾くのはあっという間だと思います。 (繰り返しになりますが、家中を暖房して暖かくすることに耐えうる性能が無い家ですと、非暖房室で結露を起こしたりしますので、住宅の性能が高いことが大前提です) ちなみに窓ですが、乾燥室に窓を設けて窓を開けるのは、逆効果になる場合が多いのでやめたほうがいいです。
- 壁にクロス胴縁をするのはよく見ますが、屋根にはクロス胴縁はしないのですか?
-
屋根にもクロスで通気層を設ける方もおられます。
ただ、どちらかというと屋根の場合は通気層の厚みを十分に取ることで
クロス胴縁と同じ効果を出そうとするケースの方が主流なのではないかと思います。
壁の通気胴縁は15mmの厚み、クロス胴縁にすると倍の30mmになります。
屋根の場合は最初から30mmの厚みの通気層を取り、沢山の空気が流れるようにしている、というような感じです。
適切に湿気を排出できれば、どの形式でも良いかと思います。
- 意匠性を考慮して、東西北面は樹脂サッシ、南面はアルミ樹脂サッシを検討しています。設計士さんから、冷気が性能の低いサッシに集まりその窓だけ結露しやすくなると言われましたが、どうですか?
-
冷気が集まるということはありませんが、最も性能の悪い窓が結露のボトルネックになりますので、
違う種類の窓を使う場合は、最も性能の悪い窓の選定に気をつけたほうが良いです。
弊社でも準防火地域で建設している家などは、メーカーもグレードも違う5種類の窓を使ったりしておりますので、
窓の種類が増える事自体は悪くありません。
- 岐阜の場合で、高気密高断熱で温湿度が一定に保たれる家だと、果物や米の保存はどうするのが良いのでしょうか?
-
まず、夏の場合は、どちらも普通の家よりずっと長持ちします。 冬の場合、米は特に気にせず袋のまま置いていただいて大丈夫です。果物はやはり外の環境よりは痛みますので、我が家の場合は冷蔵庫に仕舞うようにしております。果物の頂き物などが大量にある場合は、ちょっと困りますので、外物置などを購入された方が良いかもしれませんね。
- 土地探しからスタートする場合、どのような流れで進めていますか?プランが分からない段階で土地を購入するのが心配です。
-
土地が決まらないとプランを出すことは難しいですが、要望のヒアリングは、必ず土地を決める前にさせていただくようにしておりますのと、土地を決める最終決定の前には、私も土地を見させていただくようにしております。その土地で要望が全部収まりそうかどうかを自分で検討してから、「買ってもいいと思いますよ」とお伝えするようにしております。