Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
気密・断熱について
- 断熱リフォームについての質問です。 通気層のないほぼ無断熱の古い日本家屋で出来るだけ費用を抑えた方法で断熱リフォームをする場合、森さんはどのような方法を取られますでしょうか?
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構造躯体がしっかりしているのであれば、既存の外壁外側表面を防湿層にして外張り断熱をしてしまうのが良いかと思います。弊社でも実績は数件あります。北海道で開発された工法でして、マニュアルなども公表されております。非破壊で工事を進められるのが良いですが、日本家屋ですと屋根周りの取り合いは苦労するはずです。信頼できる工務店さんに相談をお願いします。
- 基礎断熱で床下エアコン等を使わない場合、床ガラリは不要でしょうか?引き渡し後3年間くらいは基礎からの湿気を逃すために必要かと思いますが、それ以降はいかがでしょうか?
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ガラリを無くして施工したこともあります。心配なので築後数年はマメに点検しましたが問題は発生しませんでした。しかし、全ての家でお勧めできる仕様ではありませんので、ガラリを付けておいた方が無難だとは思います。あえてリスクを抱える必要もないかと思います。
- たまに見かける外壁に柱の形が浮き上がるように汚れている家は、何が起きてあのような状態になっているのでしょうか?
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通気層が無いもしくは薄く、断熱が薄く、防湿がしっかりしていないと、冬季の室内の湿気が外壁裏側で結露を起こしたりするためこのような汚れ方をすることになります。
- 結露計算について教えてください。 屋内外の外気温、相対湿度、各建材の熱抵抗値と透湿抵抗値から計算する結露計算があると思いますが、これは基礎内断熱の場合、どのよう考えるのでしょうか?基礎立上り(コンクリート)の内側に断熱材があるとコンクリートと断熱材の間で冬型結露判定が出るような気がします。
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コンクリートの内側の断熱材の透湿抵抗やコンクリートと断熱材の接着精度にもよりますが、仰る通りそこは結露を起こしやすい箇所になります。なので、基礎内断熱の場合は、なるべく立ち上がり打設時に断熱材を一体打ち込みにして、断熱材と基礎が密着して結露が起きにくくなるようにした方が良いです。そこの接着が甘く、大量の結露とカビを発生させて基礎内断熱の立ち上がり部分が剥がれてくる、というのは、20年ほど前の基礎内断熱では時折見かける事例でした。
- QPEXなどで計算し、南面はペアガラス、東西北はトリプルガラスが光熱費的に良い結果となった場合でも、南面をトリプルガラスにするメリットはありますか?ちなみに6地域で、UA値は0.46を切れると思います。
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寝室でハニカムサーモを設置する場合などはトリプルガラスでないと結露を起こしたりもします。トリプルガラスにする理由は光熱費だけでは無いので、結露の事、日射取得の事、コールドドラフトの事、ウインドウトリートメントの事などを踏まえて設計士さんと相談していただければと思います。
- 新築して窓をAPW330にしたんですが、冷気を感じるので内窓を検討しています。 内窓は外窓よりも性能が良くないと聞きましたが、目安としてプラマードUのlow-e複層ガラスくらいは必要でしょうか?それ以上、低い性能だと問題が出ますでしょうか?
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建築士の試験でも出てきますが、内窓と外窓があった場合は、内窓の方をより高性能で高気密にするべきです。APW330に取り付ける内窓であれば、最も性能の高い物を付けておいた方が良いかと思いますので、仰るようにプラマードUのLow-e複層くらいはつけておいても良いかと思います。
- 冷房負荷を減らすために、スラブ下断熱をあえて減らして調整することがあると思います。 しかし、地面からの冷熱がスラブに伝わったとして、その冷たさの恩恵を受けられるのでしょうか?床下冷房が1階に上らないのと同様、地面からの冷熱も床下に溜まったままになるイメージがありますが、輻射熱は上昇するのでしょうか?
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仰る通りで輻射熱は上方移動しますが、対流は上方移動は基本的にしません。なので、床下空間も換気に組み込むなどして、床下の空気が室内と混ざるような工夫をした方が良いかと思います。スラブ下断熱の厚み調整は、本当にこだわっている会社さんくらいしか聞きませんが、そこまでこだわっている人であれば、当然そういう工夫もなされているはずですので、実際のケースで具体的に聞いてみると良いと思います。
- 気密部材の耐久性についてです。 気密部材は性能劣化するのでしょうか?耐久性が半永久的というわけではないと思いますので、耐用年数が気になります。劣化に伴い補修・交換は出来るものなのでしょうか?
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当然劣化は進みます。なので、気密部材もなるべく劣化から守ってあげる事が大事です。劣化の原因として大きいのが温度と紫外線と水分です。温度変化がなく、紫外線が当たらず、水分に晒されない環境を作るために、一所懸命付加断熱や防湿をしたりするわけですね。また、劣化した後でも一定の性能を担保できるよう、最初の気密性能を出来るだけ上げておくというのも重要になってきます。作り方や気密部材の選定でどの程度劣化するのかは本当にバラバラです。1990年代に北海道の大学がこうすればこの程度気密の劣化を止められるという研究をしておりますので、興味があれば調べてみてくださいませ。現時点では8割程度の答えが出ている感じです。
- エアサイクル工法についてご意見お聞かせください。 今、6地域で工務店を巡っている最中なのですが、候補としている工務店でエアサイクル工法を採用しています。通気するから家が長持ちする、通気するけどC値は1を切るようにするから断熱はUA値0.6で十分と言われましたが、本当でしょうか?
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エアサイクル工法に限らず、家の断熱性と内気循環量は反比例の関係にあります。断熱性能が高ければ高いほど、内気循環量は少なくても室内の環境は均一に出来ます。逆に断熱性能が低ければ低いほど、内気循環量は多くしないと室内の環境は均一に出来ません。エアサイクル工法は内気循環量を多くして、断熱性能がそこまで高くなくても家の中を均一な環境に出来るよう考えられた工法になります。内気循環量が多いという事は、ファンが回っている状態という事になりますので、どうしても、モーターの消費電力と音は発生してしまいます。また、冬季に家の中で無風が実現できるかどうかも間取りに寄るかなと想像します。是非、そのあたりも踏まえて、ご自身で夏冬の室内環境を体験してから判断していただけると良いのではと思います。
- 私の働いている工務店は会社の方針として合板を使わない家を売り出しているのですが、外断熱はどのように施行すれば良いのでしょうか?
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その昔、ソーラーサーキットをやっている会社さんはTIP工法という、貫を利用した耐力壁を作っておられました。そういうやり方があることはあるのですが、やはり手間もかかることから、広くは普及してきませんでした。やってやれないことは無いので、挑戦してみてくださいませ。是非、業界を良くする為に一緒に頑張りましょう。