Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
気密・断熱について
- 床下断熱を採用する場合でも、土間、ユニットバスは基礎断熱になると聞きましたが、どのような断熱材をどの程度の厚みで入れることが、基本となりますでしょうか?
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他の部分の床断熱材と断熱レベルを合わせていく事が多いと思います。床断熱がスタイロフォームの50mmだとしたら、基礎も同じく50mm。床がグラスウールの90mmだとしたら、吹付のアクアフォーム80mm等です。入れない場合や外周から1mの範囲でしか入れない建築会社さんもいますが、効果が薄いので気を付けてください。
- 床下断熱とする場合、断熱材はどのくらいの厚みまで施工できるものなのでしょうか??フェノバボードなどをできるだけ厚く施工できればと考えています。
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基本的に厚みについて制限はありません。床下空間の500mmくらいを全て断熱材で埋めてしまったという家も世の中には存在致します。ただ、現実的な話を致しますと、大体土台の厚み(105mmとか120mm)くらいまでが一般的になります。それを超えてくると床下の空間の確保という問題が出てきます。長期優良住宅に相当する建物だと、床下空間は330mm以上確保する必要が出てきます。分厚くするほど基礎を高く設計していく必要が出てきます。また、天井や壁よりも、床の方が熱の移動が少ないですので、壁で120mmの断熱材を入れるのと、床で85mmの断熱材を入れるのはほぼ同じくらいの熱の逃げ方になるというのが建築基準法の考え方になります。建物に必要とされる性能から逆算して床の断熱仕様を決めていく事が望ましいと思いますので、どれだけが可能かというよりも、どれだけ必要かから、床の構造を決めたほうが良いかと思います。最後に、床暖房を施工する場合は特に床の断熱材にこだわる必要があります。床暖房の熱が床下に逃げないように出来る限り断熱を厚くしないと、床暖房の効率がどんどん落ちていき、非常にランニングコストの高い暖房になってしまいます。
- 気密測定の時期、回数、その際に気をつける点について、どのようにお考えでしょうか?
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理想を言えば気密施工完了時と入居前の2回行いたいです。弊社は2回やっておりますが、気密施工には大体1回あたり5万円~10万円のお金がかかりますので、住まい手さんがそれを良しとするかも大きなポイントです。よくやりがちだけど絶対やってはいけないのが、窓の目張りです。特に引き違いを目張りすると極端に上振れした値が出ます。0.5を下回ってくると、漏気はほぼ窓からになります。0.5までは施工、0.5からは窓の選定が気密を下げるポイントになります。
- 足元から暖かい家を建てたいと思っており、床暖房や太陽光集熱システムではなく、トータルコストを考えて基礎断熱で床下エアコンを検討しています。床断熱でも暖かい家にすることはできますか?その場合、断熱材の厚みや性能はどのようなものが必要ですか?また施工の際に気を付けることはありますか?
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床断熱でも足元を暖かくすることは可能です。
足元の暖かさは、断熱材よりも気密性能のほうが大きく影響してきます。理由としては、冬の隙間風は建物内に侵入した後はほぼ一直線に真下に進み床を這って足元にやってくるためです。
そのため、断熱材を厚くしても気密が取れていないと十分な効果が出ない状態になってしまいますのでご注意ください。
目安としては、きちんと実測してC値が1.0以下になることが最低の条件です。
そのうえで、建物全体のQ値が2.0を下回り、かつ床の断熱厚さが高性能グラスウール16k換算で120mm以上というのが一つの目安となります。
- シロアリ被害対策について質問です。 基礎断熱内の湿度は、最低何%ぐらいを保つのが理想でしょうか?
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一例ですが、弊社で昨年の11月に引き渡した家の床下環境ですが、今現在で55%。今週、一番湿度が上がったタイミングで72%です。 そのくらいに抑えるように生活していただければよいのではと思います。 最初の2年は床下の環境は気を付けてみて頂ければと思います。
- 断熱引戸は気密性は低いため、貴社では使用されませんか?
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使用しますが、気密の性能はやはり落ちます。
国産サッシの最高等級グレードの断熱引き戸が1軒の家に2つまで位に抑えたいとは思っております。
- いずれ森さんが関わっている国産材の内窓を全窓に採用したいと思っています。施工の注意点や性能に大きく影響するポイントはありますか?
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これは建築士の教科書にも出てくる話ですが、気密性能に関しては外窓よりも内窓の方が良い性能になるようにしてあげてください。
逆にすると外窓の部分で結露を起こしてしまいます。 UA値が低ければ低いほど、家全体の温度が上がります。
温度が上がると湿度も上げたくなりますので加湿量が増えがちです。加湿量が増えると熱橋になる部分で結露を起こします。
という事で、UA値が低く、窓の性能が悪い家は結露を起こしやすくなりますので少し気をつけて生活していただければと思います。
- 窓に対する断熱補強で、「内窓の設置」「窓の交換」がありますが、これらの工事は気密・水密は問題ないでしょうか?
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内窓の設置、窓の交換、どちらも良いかと思いますが、
いずれにしても、「後は窓だけ何とかすれば大丈夫」という状態の家でやるべき工事です。
そもそもの断熱性能が足りていない家で、窓だけ何とかしても、結露は止まれど全体的な寒さは劇的には改善しません。
窓を交換するのであれば、内装か外装を剥がして断熱補強も一緒にやるべきだとは思います。
- 付加断熱にボード系断熱材を用いる場合、ボード間の気密テープは必須でしょうか?気密ラインの設定が難しいです。
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ボード面で必ず気密を取らないといけないわけではいけませんが、弊社はボード間のテープは全箇所施工しております。
気密防湿ラインを複層設けておくと、将来的な気密の低下は軽減できるからという理由です。
- 高気密高断熱であるほど、経年による気密性能の低下が著しいというのは本当ですか?もし本当であれば、ほどほどの断熱に抑えたほうが良いのでしょうか?
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気密の数値は確かに経年で悪化しますが、高気密高断熱の家であるほど、悪化する率が高いということはありません。
むしろ逆で、付加断熱などで躯体が守られているほど、気密の値が悪化する率は低くなります。
断熱はどれだけやってもいいと思います。