Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
日射取得、遮蔽について
- 南面大開口をAPW330、APW430 、大開口スライディングAPW431を検討しています。6地域で日射取得を見込める東海地域なのですが、日射取得率、コスト面を考えて、あえてAPW330にする選択肢もあるのでしょうか?
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やってはいけないという事は有りません。年間のトータル熱収支が430でも330でも殆ど変わらない地域も東海地方内にはあります。ただ、合計の熱収支が変わらない事と、実際の生活も変わらない事は別です。430の方が日射取得が少ない分、昼間の暖まり方が少なくなる一方、夜間の冷え方も緩やかです。330は日射取得が多い分、昼間は430よりも暖かいですが、夜間の冷え方は430よりも多いです。室内環境の変化が少なくなる事がどの程度生活に影響を及ぼすかどうかは人それぞれ感じ方が違うので何とも言えません。
- 吹き抜けリビング上部に窓を設ける場合、大きさ、形状、位置など普段意識されているところはどのようなところですか?6畳の畳リビング上に吹き抜けを作る予定です。
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まず一番大きな要素は方角です。どの方角に窓を付けるかにより考え方が変わってきますが、最も多いであろう南のパターンだと仮定してお話を致します。
意識するのは一年を通しての日射熱取得量/遮蔽量のバランスです。特に庇にて対応する場合は、どの季節まで日を入れてどの季節まで日を防ぐかを意識して設計します。
ただ、日射量だけを気にするとデザイン的に違和感が出る場合がありますので、他の窓との大きさや形のバランスが崩れないようにせねばなりません。
- 日射遮蔽について縦滑りもしくはFIXでapw430を西側に設置する予定なのですが、高性能窓でもやはり内外の西日対策は必要でしょうか?
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必要かどうかの答えは、各種条件によって変わります。例えば窓の大きさです。人が出入りできる程の大きさの窓からは、夏の西日によって1000W程の熱取得があります。これが2つもあると2.2kWのエアコンが、西日対策の為だけに動くことになります。
APW430で最も日射遮蔽性能の高い窓で70%程になります。430を使うだけでも2000W入ってくるはずの熱が600W程度に抑えられますので遮蔽効果はあります。ただ、70%というのはガラスの遮蔽性能だけですので、実際には暖められた窓のフレームや熱されたガラス本体からの熱伝導により、もっと多くの熱が入ってきます。なので、基本的には西側の窓は何らかの日射遮蔽を考えておくべきです。ただ、十分に小さい窓であれば、熱は入るけど絶対値に直せば些細な値なので無視するという選択もできます。窓の大きさが0.15㎡ガラスの大きさが0.08㎡の窓で、Uw値が0.9、日射取得率が30%の場合、窓の表面温度が55℃、室内が25℃だった場合、入ってくる熱は合計11W程度です。これならエアコンの負担も少ないです。私の場合は、西側に窓を付ける事になった場合は、横30cm縦50cm程度の小さな窓にして、日射遮蔽はしないという場合が多いです。
- カーテン、ブラインド、ロールスクリーン、ハニカムサーモのほかに西日対策としましてガラスフィルムも有効でしょうか?
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日射を遮る効果は%で表示されます。カーテンやロールスクリーンで30%程度内付けブラインドで35%程度ハニカムサーモで40%程度外付けブラインドで80%程度
ガラスフィルムは10%~80%の幅で商品があります。
お値段を考慮して比較すればコスパが出てきます。
有効ではありますが、ガラスフィルムは他の部材と違い、冬の日射を取得する性能も落としますので、注意が必要です。あと、効果が高いものほど、可視光線も遮りますので部屋の中は暗くなります。
- 四方を住宅や幹線道路に囲まれている土地に家を建設予定です。中庭のある家の場合、窓の配置は日射取得、遮蔽の関係でどういうことに気を付けた方がいいでしょうか?
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中庭の大きさにもよりますが、直射日光の取得は非常に制限が掛かってしまいます。
また、口の字型の中庭ですと、外気に面する外壁の面積は単純な四角形の1.5倍くらいになりますので、熱の逃げ方も1.5倍になります。1.5倍の光熱費を掛けるか、1.5倍の性能にしないと同じ暖かさを得られなくなります。
一般的にはコの字型+目隠しの工夫(フェンスや植栽)で対応することの方が多いと思います。
また、同じく視線が気になるという計画の場合は1階の窓を目の高さからずらして、吹き抜けから明るさと日射熱を取り入れるという工夫をしたこともあります。 四方を何かしらに囲まれていても、必ずスポット的に緑が見えたり空が見えたりする方向があるはずですので、そういったポイントを見逃さずに窓を配置できるとよいかと思います。
- 冬の日射取得に有利なカーテン(色・仕様など)を教えて頂きたいです。そもそもレースカーテンではそれほど日射取得には影響がないのでしょうか?
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カーテンをつけた時点で、レースであっても日射取得は半減してしまいますので
出来るだけカーテンを開けて日射を取り入れられるような計画にした方が良いかと思います。
これは敷地の条件や住まい手の見られているかもしれないという意識にもよります。
カーテンを開けて、人に見られずに過ごすためには外構にそれなりのお金、もしくは時間がかかります。
①外構にお金を掛ける
②外構に時間を掛ける(木が育つのを待つ)
③見られても気にしない
④日射取得を諦めて何らかのカーテンをつけるこれが大まかな選択肢になるかと思います。 色々気になるかもしれませんが、大丈夫です。だれもあなたの生活なんて見ていませんから。
- 南面に一間程度のウッドデッキと庇を設けて縁側のように使いたい半面、大きな庇をつけると冬の日射取得に影響が出てきます。豊かな半外空間と冬の日射取得が共存することは難しいのでしょうか?
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南の庇を伸ばす事と日射取得を得る事は矛盾しやすい物になります。
解決策としては、
窓よりも十分に高い位置で庇をかける。
北下がりの片流れにして1間の軒を作る。
半外空間にする部分と日射取得をする為の窓の部分はしっかり分ける。
などが考えられるかと思います。
東西の長さが十分にあれば、日射取得部分と、半外空間の部分を分けて計画するのが最もデザイン上も使い勝手上も良い物が出来るような気が致します。
スケッチアップやホームズ君など、日射取得のシミュレーションができるソフトで、冬季の10時~14時に沢山日射が入るように工夫されると良いかと思います。
- 南面のハイサイド窓の日射遮蔽は、屋根に上ってでも外部に簾など設置した方が良いでしょうか?南面ですが、遮蔽型にして室内で遮蔽するのでは効果は低いでしょうか?
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しっかり軒を伸ばすというのが良いかと思います。
屋根に上って部材を取り付けるのはあまり現実的とは言えないかと思います。
遮蔽型ガラスも最終的には有りですが、光が青っぽくなるので、私はあまり南側に遮蔽型ガラスを使わなくても済むような感じにしたいなとは思っております。
- 今後長い目で温暖化を考慮すると、6地域で高気密高断熱住宅の新築ではどんな点をより考慮すべきでしょうか?冷房負荷が増えるので、庇をより深くとかでしょうか。
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そうですね。より夏向けの仕様が重視されてくると思います。冷房期間がどんどん長くなり、太陽高度の低い時期でも冷房をする必要が出てきますので、日射遮蔽を如何に完璧にするかが肝になってくるかと思います。
- 通風を確保するために2方向に窓を設けるという考え方の一方で、南面以外は極力窓を少なくするべきという話を聞きました。東西北面は以前森さんが仰っていた0.5㎡以下で設置すべきでしょうか?
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東西に全く窓をつけないというのも少し極端ですので、季節や時間の移ろいが分かるような位置に、小さな窓をつけておくようにしております。後は敷地の状況に合わせてですね。例えば西側が非常に開けた敷地であれば、西側に大きな開口を持ってくることもあります。もちろん日射遮蔽の工夫は大事です。 風が水平方向に動く土地なのか、垂直方向に動く土地なのかによっても、窓の付き方は変わりますので、一概には言えません。東西はなるべく小さく、しかし必要な所はきちっと押さえてつけておく。というこれまた通り一遍な答えになってしまいこちらも申し訳ありません。設計士さんによく相談されてください。