Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
換気について
- 第三種換気を検討しています。 静圧等の圧力制御の性能はどの程度の数値、考慮する必要がありますか?その他スペックでに確認した方がいい項目も教えていただければ幸いです。
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換気扇の静圧はこだわった方が良いのですが、断熱の方がまずは優先ですし、これは住まい手はおろか、ほぼ全ての設計者はどのように数値を確認して設計に生かしてよいかは分かりません。
換気扇の静圧で商品を選んでいる人は1000人に1人程度の割合じゃないでしょうか。まずはしっかり気密が取れている事、暖房時の室内の圧力分布を計算してある事、換気扇の適切な流量が計算されている事が、設計時の確認項目です。そして、住んだ後に、概ね1000ppm以下のCO2濃度でちゃんと暮らせているかというのがものすごく大事な確認項目です。設計がいい加減でも、住んだ後のCO2濃度がちゃんとしていればそれで大丈夫です。
- 国産の3種換気の選定で考慮すべき点はありますか? 現在、某社の製品で計画換気量を満たす風量以外の点で、後々メンテナンス、機器の交換などを考えてどのような基準があるか検討しております。
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普通のパイプファンであれば後々でも交換するだけで終わりますので、メンテナンス性は気にすることはありません。ダクト式の場合、機器本体の交換が発生しますので、必ず機器本体+αのスペースが必要になります。それが無ければ、使い捨てのつもりで採用した方が良いです。
- C値0.2以下、UA値0.3程度、二階建て30坪程度で工務店さんと計画をしています。 換気システムを第一種で全熱式を使うそうなのですが 主人がタバコを吸うので心配してます。たばこの臭いは換気装置だけで大丈夫なのでしょうか?
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どんな熱交換素子を使うかにもよりますが、煙草の臭気が戻ることは大いに考えられます。
また、煙草のヤニの成分などはてきめんに熱交換素子を詰まらせますので、メンテナンスの頻度はかなり高くなります。家の中で煙草を吸うのであれば、熱交換換気やダクト式の空調は全くお勧めできません。普通の第三種換気にしておいて、吸排気のフィルターをマメに変えたほうが良いです。
- 高気密な住宅ではレンジフードによって、せっかく暖めた(冷やした)空気を排出してしまったり、室内が負圧になったり、コールドドラフトの原因になったりすると聞きました。 IHキッチンで3種換気であれば、レンジフードを付けないという選択肢もありますか?
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同時吸排気型のレンジフードであれば極端な負圧になることはありません。絶対に付けなければいけないかと言われると、レンジフードが不要になるキッチンの使い方も有り得ますが、いままでレンジフードの無いキッチンを付けたことはありません。
- 一種のダクト式換気を検討しています。OAに電子集塵機をつけている事例をたまに見かけるのですが、集塵機があるとダクト清掃や熱交換素子交換の頻度は下がるものですか?
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はい、下がります。ただし、電子集塵機の本当に必要な地域なのかどうかはお考え下さい。田舎の空気が綺麗なところであれば普通のフィルターで十分ということもございます。
- 6地域の場合、ua値0.28で第3種換気かua値0.34で第1種換気(全熱交換型)では体感としてはどちらのほうが住み心地がいいのでしょうか? 第3種換気では足元が冷えると聞きますが実際は断熱がしっかり出来ていれば部屋に空気が入ると馴染むとも聞きます。
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快適性という点ではそんなに変わらないと思います。しかし、生涯コストという点ではUA値0.28+3種換気の家の方が50年で100万円程安いと思います。勿論設計によってはもっと差がついたりそこまで差がつかなかったりしますので、お住まいになる想定期間分の光熱費やメンテナンス費の試算を建築会社に出してもらってください。足元の寒さが気になるようであれば、どちらの場合でも床が暖かくなるような暖房計画(床下エアコンや床暖房など)を採用するとなお良いですが、どちらが良いかについては、あなたがどのくらい寒がりかという事にもよりますので、そこは建築会社さんに数値を伴うしっかりしたヒアリングをしてもらった方が良いです。UA値は下がれば下がるほどシームレスに家の中の温度ムラ、冷暖房コストなどが良い方向に変わっていきます。一生涯、住宅を維持管理していく中で、よりコスパが良く、より後で触りにくいのは換気設備よりも断熱材の方です。0.3を下回るまでは、断熱材だけにお金を掛けたほうがいいです。
- キッチンの換気扇(同時給排換気扇)の設置場所は、第一種換気・第三種換気関係なく外壁に近い方がいいでしょうか?
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キッチンの換気扇ですが、省エネについてはそこまで影響があるわけではありません。しいて言えば、壁から離れていた方がファンの圧力損失が増えて運転する為のエネルギーが若干増える事とくらいだと思います。それよりも外壁までの距離が長くなる事により、ダクトも長くなり、中にたまる油などの量が増える方が気持ち悪いなと感じます。そのため、やはり外壁に近い方が色々と有利だと思います。
- 全熱交換換気を採用した家の燃費を計算する場合、キッチンやトイレや浴室の換気量はどのくらいの量を想定して計算するのでしょうか?4人家族ならこのくらいなど、決められた値があるのでしょうか?
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キッチンはメーカーのカタログを見れば換気量が出ていますので、それが一日に何時間動く想定なのかを計算して換気量を平準化します。
600㎥/hの換気量を持つ換気扇を1日に2時間動かしますと、1200㎥の空気が出ます。24時間換気に置き換えると1200÷24=50㎥/hが熱交換をせずに家の外に放出されるとみなすというような具合です。トイレやお風呂についても同様に個別換気扇の流量がカタログに載っておりますので、上記と同じ計算を致します。その換気扇を決めるやり方は、1人当たり30㎥/h、もしくは家の気積が1時間に0.5回換気されるように決められております。
そもそもという話ではありますが、このような計算をしてキッチンやトイレ、お風呂を熱交換換気の経路から外す場合、家全体の熱交換換気効率は20%~40%程度まで落ちてしまいます。これでは熱交換換気の費用対効果は非常に悪くなります。
- 浴室の換気扇の選定する際、考慮すべき点である浴室の大きさ、風力、消費電力について、貴社ではどのような基準をお持ちですか?ちなみに間取りとしては一般的な1820✖️1820の浴室です。
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浴室の換気扇を単体で選定することはあまりしません。
家全体の換気に対して、浴室の割合を配分して決めるというイメージになります。
また、厳密にいうと夏は排気扇としての役割を担ってもらい、冬は家に湿気を還流させる内気循環扇としての役割を担ってもらうことが多いです。それぞれ役割が違う為、2つの換気扇を浴室に取り付けます。第一種熱交換換気を使う事もありますし、普通の換気扇を使う事もあります。内気循環の換気扇は普通の換気扇である事が殆どです。第一種熱交換換気の場合は比消費電力を気にしますが、普通の換気扇の場合は風量だけを気にします。浴室からの水蒸気発生量で住宅の加湿量が賄えることが理想です。浴室の大きさは特に関係ありませんが、住宅の温湿度を理想的な環境にするためには一日に10~20リットルの水分を屋内で蒸発させる必要があります。それを浴室に担ってもらおうというイメージになります。風量のみを計算して選定するという感じになります。
- 高気密住宅でも第3種換気では差圧レジスターや同時吸排は意味ないのでしょうか?
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そんな事はありません。キッチン排気に対する差圧レジスターや、同時吸排気型の換気扇は意味が無いどころか必須の設備になってきます。3種だから意味がないとか、1種だから意味があるとか、そういう1か0かという物ではなく、家の中の気圧と空気の流れをどのように設計するかという点においては非常にシームレスでアナログなのが空調換気設計です。それぞれの特徴を的確に捉えてどのように設計していくか、空調区画ごとに何パスカルの圧力差を生み出すつもりなのか、その時に流れる空気の量は1時間に何m3の想定なのか、是非設計者さんに聞いてみてはいかがでしょうか。