Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
換気について
- キッチンの換気扇(同時給排換気扇)の設置場所は、第一種換気・第三種換気関係なく外壁に近い方がいいでしょうか?
- キッチンの換気扇ですが、省エネについてはそこまで影響があるわけではありません。しいて言えば、壁から離れていた方がファンの圧力損失が増えて運転する為のエネルギーが若干増える事とくらいだと思います。それよりも外壁までの距離が長くなる事により、ダクトも長くなり、中にたまる油などの量が増える方が気持ち悪いなと感じます。そのため、やはり外壁に近い方が色々と有利だと思います。
- 全熱交換換気を採用した家の燃費を計算する場合、キッチンやトイレや浴室の換気量はどのくらいの量を想定して計算するのでしょうか?4人家族ならこのくらいなど、決められた値があるのでしょうか?
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キッチンはメーカーのカタログを見れば換気量が出ていますので、それが一日に何時間動く想定なのかを計算して換気量を平準化します。
600㎥/hの換気量を持つ換気扇を1日に2時間動かしますと、1200㎥の空気が出ます。24時間換気に置き換えると1200÷24=50㎥/hが熱交換をせずに家の外に放出されるとみなすというような具合です。トイレやお風呂についても同様に個別換気扇の流量がカタログに載っておりますので、上記と同じ計算を致します。その換気扇を決めるやり方は、1人当たり30㎥/h、もしくは家の気積が1時間に0.5回換気されるように決められております。
そもそもという話ではありますが、このような計算をしてキッチンやトイレ、お風呂を熱交換換気の経路から外す場合、家全体の熱交換換気効率は20%~40%程度まで落ちてしまいます。これでは熱交換換気の費用対効果は非常に悪くなります。
- 浴室の換気扇の選定する際、考慮すべき点である浴室の大きさ、風力、消費電力について、貴社ではどのような基準をお持ちですか?ちなみに間取りとしては一般的な1820✖️1820の浴室です。
- 浴室の換気扇を単体で選定することはあまりしません。
家全体の換気に対して、浴室の割合を配分して決めるというイメージになります。
また、厳密にいうと夏は排気扇としての役割を担ってもらい、冬は家に湿気を還流させる内気循環扇としての役割を担ってもらうことが多いです。それぞれ役割が違う為、2つの換気扇を浴室に取り付けます。第一種熱交換換気を使う事もありますし、普通の換気扇を使う事もあります。内気循環の換気扇は普通の換気扇である事が殆どです。第一種熱交換換気の場合は比消費電力を気にしますが、普通の換気扇の場合は風量だけを気にします。浴室からの水蒸気発生量で住宅の加湿量が賄えることが理想です。浴室の大きさは特に関係ありませんが、住宅の温湿度を理想的な環境にするためには一日に10~20リットルの水分を屋内で蒸発させる必要があります。それを浴室に担ってもらおうというイメージになります。風量のみを計算して選定するという感じになります。
- 高気密住宅でも第3種換気では差圧レジスターや同時吸排は意味ないのでしょうか?
- そんな事はありません。キッチン排気に対する差圧レジスターや、同時吸排気型の換気扇は意味が無いどころか必須の設備になってきます。3種だから意味がないとか、1種だから意味があるとか、そういう1か0かという物ではなく、家の中の気圧と空気の流れをどのように設計するかという点においては非常にシームレスでアナログなのが空調換気設計です。それぞれの特徴を的確に捉えてどのように設計していくか、空調区画ごとに何パスカルの圧力差を生み出すつもりなのか、その時に流れる空気の量は1時間に何m3の想定なのか、是非設計者さんに聞いてみてはいかがでしょうか。
- ダクト式の熱交換換気システムの場合、給気ダクトの汚染が問題になると思うのですが、清掃すると10年毎に15万円くらいかかると西方先生の著書にありました。 ダクトの汚染と清掃についてどの様に考えているか教えてください。
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まともにメンテナンスを行うと、西方先生の言うとおりのお金が掛かります。それどころか、ダクトの素材がフレキダクトのような清掃のできないものですと、実質清掃もできず、メンテナンスは不能になります。
ダクトの汚染と清掃については、スウェーデンの建築基準法に定められたルールに則るのが最も良いかと思っております。ダクト配管の素材については焼肉屋さんの配管のような太い直管を使い、天井裏の横引きや縦貫通の空間をたっぷり取るか露出させます。不要な曲がりが発生せず、最も高い効率で各部屋に空気を配る事が出来るように致します。勿論材質も各種のメンテナンス方法に耐えられる強度のある素材の物を使います。間取りを考える時点で、同時にどういう配管ルートにするかを考慮しておく必要があります。
日本で普通に流通しているものと比べて初期費用は100万円以上高価になるかと思いますが、建物を50年単位で配管を持たせようと思うと、それがトータルコストで最も安くなる施工になります。
- お風呂の換気扇を室内循環型にするか、若しくは洗面台の第3種換気の排気を利用しようと考えております。貴社は全熱交換換気を採用されたりすると思いますが、ダーティーゾーンの換気計画はどのように考えておりますか?
- 第一種換気でも第三種換気でも、ダーティーゾーンから排気するという考え方はあまり変わりません。ただ、お風呂に関して言えば、冬場にその熱量と水分を捨ててしまうのは非常に勿体ないと考えております。逆に、夏にそれだけの熱と湿気が家の中にある状況もあまり好ましくありません。第一種熱交換換気を採用する場合は全熱交換式の物にして、夏はさっさとお湯を捨てる。冬は少なくとも冷めるまではお湯を捨てないという生活の仕方をお勧めします。第三種換気を採用する場合は、内気循環型ファンと通常の排気専用ファンの両方を浴室に取り付けるという方法を採用し、夏は排気ファンだけを動かしっぱなし。冬は内気循環ファンだけを動かしっぱなしという生活をお勧めしております。内気循環をする場合、代わりの排気をどうするか考えないと家の中全体で空気がよどんでしまう可能性もありますので、注意が必要です。家全体の換気のつじつまが合っていないとどこかにひずみが出ますので気を付けてください。
- 気密性能が高い住宅のレンジフードの選び方についてどのような基準をお持ちですか?ちなみに第3種換気、C値1.0以下を目指す予定です。よろしくお願いします。
- 選択肢は大きく分けて二つあります。同時吸排気型の換気扇を選ぶか、シャッター付きの排気専用ファンに差圧式の給気口を設置するかです。キッチンのレンジフードは弱で運転しても、その他の全ての換気扇を足した風量よりも沢山空気を動かす機種が多く、計画換気に大きな影響を及ぼします。同時給排でも差圧式給気口でも、効果的に空気をショートサーキットさせる事が目的です。語弊を恐れずに言えば、家全体の暖かさ涼しさを確保するためにキッチンに立つ人は暑さ寒さを我慢するという考え方です。どちらでも大丈夫なのですが、第三種換気で、小屋裏エアコンと小屋裏給気口があり、キッチンが1階についている場合、差圧式の給気口を設ける事で冷気の降り方をコントロールすることが可能になります。文字だけではとても言い表せませんが、無難に行くなら同時給排、目的を持って攻めた換気空調を行うなら差圧式も有りかと思います。また、例外的に殆どキッチンを使わない人に限り、内部循環式の換気扇を使うという選択肢もあります。
- 地域条件によると思いますが、第1種換気による湿度のコントロールは快適性を考えた上で、必要なものでしょうか?3種換気でも季節ごとで他で上手く湿度を調整することはできますか?
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第一種熱交換換気は必要とは考えておりません。
もちろん、あればより上質な湿度環境を作り出せることは言うまでもありません。
ただ、夏に3種換気の限界が26℃60%だとすると、全熱交換では26度50%くらいまで除湿が出来る感じです。
冬に3種換気+加湿器で22℃35%くらいの環境だとすると、全熱交換では22℃50%近くまで加湿できる感じです。
冬の加湿は加湿器の量や部屋干しの量を調整することで3種換気でも上げていく事は出来ますが、夏の除湿は全熱交換でしか実現できない環境があります。
そこに予算を掛ける価値を見出せるのであれば、1種換気+全熱交換は有効なものになります。
- 第3種換気を計画する上で、機器の配置や選定に重要な点はありますか?
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第三種換気は自由度が高い分、設計者の換気空調に対する理解や知識技術の差が大きく出てしまいます。
大前提として、気密がきちんととれているかです。 C値1.0は切っていないと何を考えても無駄になります。 そのうえで、季節に合わせて給気の方式を変えるという事をお勧めしております。
冬は内外温度差に伴い、家の内外に圧力差が生まれます。気球をイメージしてもらえると分かりやすいのですが、暖かい空気が膨張して上に行こうとするため、1階の給気口から大量に空気が入り、2階の給気口からはほとんど入ってこないか、もしくは2階の給気口から空気が外に出ていく状態になります。 つまり、冬は1階が過換気、2階は換気不足という状況が生まれやすいです。1階が沢山換気されるという事はその分1階だけが冷えやすく、2階はあったかいのに1階はちょっと寒く感じるねという事になりやすいです。
なので、私の場合はざっくりと家の中の圧力分布を計算して、給気口の配置や、その開閉設定を決めるようにしております。 圧力分布を計算する過程で、浴室やトイレに設置する換気扇機器の静圧をカタログから読み取り、中性帯(圧力がゼロの高さ)がどこに来るのかを計算しておく必要があります。 給気口の空気をどこから取り入れるのかというのも重要な要素になります。給気口の先を大気に開放する方法と、壁体内通気層の空気を入れる方法がありますが、冬の南側や西側の壁体内通気層内の空気はそれなりに暖められているため、暖房負荷を低減してくれますが、夏は非常に高温の空気が入り逆に増エネになります。
なので、夏の空気を入れる給気口は大気に開放すべきであり、冬の空気を入れる給気口はなるべく壁体内の空気を入れるべきです。 断熱のレベルにもよりますが、冬のピーク時に暖房負荷のうち2割から3割を換気が占める事になります。機器の選定や配置により、第三種換気でも最大50%程度(全体で言うと1割から1.5割ですね)換気からのエネルギー損失を抑える事が可能になります。
年間の冷暖房エネルギーが10万円だとすると、設計の工夫だけで1万円くらい削減できるイメージになります。
- 第1種換気を導入検討しています。ダクト有無など様々な機種が販売されていていますが、機種選定のポイントを教えて下さい。
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ダクトの無い第三種換気、もしくは大径スパイラル管を用いた第一種(熱交換)換気をお勧めしております。
弊社では、ダクトレス第三種をベースにした空調換気システムを専用に設計するか、海外製のメンテナンス性を考慮したダクト式換気システムを紹介しております。
海外製で大口径ダクトを使うことで日本製のシステムを使うのと比べ金額は1.5倍程になりますが、メンテナンスが難しく使い捨てになるよりも長く使えるものを提案したいと考えております。