Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
設計について
- 「古民家風の無塗装の板張り外壁が○○年持っており、まだ使えます」といった記事をたまに見かけるのですが、そういう家は防水シートの交換もしなくて大丈夫なのでしょうか?
- 雨を防ぐ、紫外線を防ぐという目的でだけなら6mm程度の厚みの板が数十年持つというのも珍しくはありません。真っ黒に変色してもしっかり役に立ってくれています。しかし防水シートは、木漏れ日からの紫外線などにより劣化する可能性は否めません。
防水シートはなるべく耐久性の高いものにした方が良いです。
- 庇の出幅の目安は日射管理の点から南向きなら10対3という考え方を聞きます。 では、雨から窓を守るという点では出幅の最低長さはありますか? また、樹脂サッシや木製サッシ、1階・2階で出幅を変える必要はありますか?
- 庇の長さは厳密にいえば地域によって変わります。北海道と沖縄では太陽の角度が違いますので最適な長さは若干違ったりします。10:3は便利な数字なのでそのまま採用しても問題はありませんが、住まい手の好みや温熱感覚に合わせて、少し微調整をしたりします。日射遮蔽的に最低な長さというのは計算によりますので、ここで一概に言えるものではありません。
雨対策という点では150mm程度の小さな庇でも窓にあたる雨はてきめんに少なくなります。ヴァレーマは小庇というよりも、しっかりとした日射遮蔽ですので、庇なしでも良いかと思います。迷ったら沢山軒を出しておいても良いですが、そこは住まい手が悩むのではなく、設計者が住まい手にとっての最適を目指して悩んでほしい所です
- 先日、静岡県で竜巻による家の被害があったとニュースで見ました。 竜巻や台風による突風の被害を最小限に抑えたい場合、新築を建てる時にどの様な事に気をつけたら良いでしょうか?
- 難しい質問です。耐震等級台風等級を上げると共に、軒や庇などの出っ張りをなるべく短くすることが求められます。
カーポートなどもあまりよくないです。
- なぜ凰建設ではスーパーウォール工法を採用しているのですか? グラスウールやセルロースファイバーに気密シートと言う組み合わせとかはやってないのですか?
- 他の断熱の組み合わせもやります。水災外地域の場合、壁の充填、付加断熱共にボード系にしておいた方が、万が一のリスク対策になりますので、その場合は充填部分からボード系を採用することを勧めます。岐阜地域のハザードマップをご覧いただけると、ご理解いただけるかと思います。
- バリアフリーの観点から玄関框をなくす設計をしている会社を見かけました。 框をなくす場合、おそらく玄関土間もないと思います。玄関の框をなくす場合、コストと気密断熱性能面で設計上のメリット・デメリットはどのようなものでしょうか?
- 弊社でも玄関ドアを開けて室内に入るとほぼフラットという仕様は有ります。質問者様が仰っている事がほぼそのままになります。断熱気密やコストはそこまで変わりませんが、現在基礎の高さは400mm以上というのが標準的だと思います。家の中で段差がない分、家の外で段差を解消しますので、屋外のポーチ階段の段数が増えるなどの設計上の工夫は発生してくるはずです。
- 断熱気密をしっかりとして、南側の窓を大きくする・東西の窓は出来るだけなくす、というのがパッシブデザインかと思います。 ダイニングや寝室に朝日を入れたいのとパッシブデザインを両立させるためにはどんな窓を設置するのがいいでしょうか?
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窓の外の日射遮蔽をしっかりすれば、東に窓を付けても大丈夫ですので、両立は難しくありません。日射遮蔽を忘れると、夏の朝6時くらいから大変な事になります。
- 新築検討中です。パッシブハウスを施工経験ありというのは、指標として有効でしょうか?
- パッシブハウスの施工経験があるかないかは大きいですので、有効だと思います。特に、パッシブハウスを建てられたうえで、PHJの役を頑張っているメンバーは本当に勉強熱心です。
- 日本では窓周りをウレタンで埋める方法が主流かと思いますが、海外ではVKPやイルモド等のテープを貼る方法もよく見られます。 このような乾式テープは何がメリットなのでしょうか。
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現場発泡ウレタンは、熱や紫外線、加水分解などにより将来的に消滅している可能性もありますので、あまり頼り過ぎるのはちょっと心配です。そのための窓周りテープになります。
- 日射取得に利用できる部屋はリビングやダイニングだけなのでしょうか? 北側にリビングやダイニングを置きつつ南側の日射取得もしたいのですが、何かいいアイデアは無いでしょうか?
- 日射取得は別にリビングダイニングに限った話ではありません。南側に窓のある部屋は全て日射取得の恩恵を受ける事が出来ます。南側にあるのが寝室や玄関であっても、高性能な窓を入れると家全体に日射取得による温度上昇効果が出ます。家全体として、取り入れた熱が逃げないようにする工夫をすることで、リビングは南側という観念も取り払うことが出来るようになります。アイデア、というよりも、断熱をしっかりして日射の取れる面の窓を大きくしましょうというごく普通の提案になります。
- マイホーム建築のため最近勉強をはじめた者です。 樹脂アルミ複合サッシを採用して冬の寒い日に表面結露が発生した場合、壁の内部や躯体にも悪影響を及ぼしていると考えた方がいいでしょうか?
- ガラス表面にできる結露は雫になって垂れなければ躯体に悪影響を及ぼすことはありません。枠部分に結露が出来ている場合は、目に見えない躯体側で結露している可能性はゼロとは言えません。施工の方法などによりケースバイケースです。樹脂アルミサッシが悪いとは言いませんが、生活の中において、躯体ダメージのリスクなく実現できる温湿度が、サッシの種類によって天井を決められてしまうというのが最も注意すべき点です。自分が冬場に作りたい温湿度がいくらなのかが明確にあり、それがアルミ樹脂サッシでも耐えられるレベルであれば、採用しても良いかと思います。数字の無い定性的な議論だけで結論を出して泣きを見るのはいつも住まい手ですので、設計士さんにちゃんと計算してもらうようお願いします。