Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
気密・断熱について
- 気密測定時に窓の縁などにテープを貼っていたりする様子を見たことがあるのですが、そういった方法が一般的なのでしょうか?
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気密測定時には、測定機器がつく窓以外は目張りをしてはいけません。
- メルマガで「分厚すぎる基礎土間断熱は年間のトータル負荷を増大させる」と書かれていましたが、地中に逃げる熱よりコンクリートの蓄熱性の方が重要なのでしょうか? 現在建設中の住宅が基礎断熱なのですが、外側の横壁と床側は外側から1mほどしか断熱材が敷いてありません。 床下エアコン設置の予定はないのですが、これで本当に大丈夫なのでしょうか?
- 基本的にはそのやり方で問題は無いです。ただ、基礎の立ち上がりの断熱材の厚みはできるだけ分厚くしておいた方がよいです。基礎の土間と地面の熱移動がどうなるかというのが大きなポイントです。夏ですと、地面が基礎内の熱を吸い取ってくれるという現象が起きますが、年間の冷房負荷と暖房負荷の数値がイコールになるくらいまで断熱を施した家になりますと、夏の対策の方が重要になってきまして、あえて基礎の土間中央部分の断熱を薄くしたり、無くしたりして、夏の冷却を期待するというやり方も存在します。
このバランスは非常に難しい所ですので、どの程度がベストなのかというのは、それこそシミュレーションを繰り返して決めて行けると良いかと思います。床下エアコンは無いとのことですので、夏寄りの考え方で良いかと思いますが、床下エアコンがある場合は、冬に果てしなく地面が熱を吸い取るという現象が起きますので、土間中央部分も断熱は必須になります。
- 気になる工務店の窓の仕様がAPW330かサーモスXのどちらかです。 予算や間取り、周辺環境、日射取得等々を総合的に考えて使い分けてるらしいのですが、樹脂窓を希望しておいた方がいいですか? 複合サッシは叩かれてることが多いので不安です。 場所は静岡で雪の降らない温暖な地域です。
- 工務店さんとサッシメーカーさんの付き合いの深さにもよりますが、その二つを比べると、330の方が安く、そして性能が高いと思います。
何か事情が無い限りは、330の方がいいのではと思います。私がその選択肢で、サーモスXを勧める事があるとしたら、16520(横1.6m縦2.0m)を超える大きさのFIX窓をどうしても使いたくなるような眺望が南側にあった場合でしょうか。
- メルマガに、「下屋、オーバーハング、両入隅サッシ、中間領域、こういう設計でもきちんとC値が出せるように、日々研鑽ですね」と記載がありましたが、何故気密が取りにくいのでしょうか? 気密シートが貼りにくいとかあるのでしょうか?
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その通りですね。
真四角な箱を工作で作るのと、でこぼこがいっぱいある箱を工作で作るのでは、明らかに難易度が違いますよね。隙間を埋める作業も沢山発生しますので、やはり気密は悪くなりやすいです。
- 窓の種類によって気密性が違ってくるということを聞きます。 引き違い窓と縦滑り窓横滑り窓ではどの位違うのでしょうか? 1つの窓では違いはなくとも設置数が増えれば違ってくるのでしょうか?
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引き違いの掃き出し窓が1か所くらいまでなら、C値0.1を狙えますが、それ以上増えるに従い、やはり気密は落ちていきます。20か所の窓が全部引き違いになると、C値は0.5くらいになるようなイメージを持っております。
- 計算して温熱環境を提案できるようにするにはどこから勉強すれば良いでしょうか?またどのようなツールを使えばいいでしょうか?
- まずは地域の自治体や建築士会などが開催する講習会に参加されると良いかと思います。
省エネ技術者講習や自律循環型住宅への設計ガイドライン講習などが開催されているはずです。そこで基本を学んで、更に上を目指そうとなりましたら、新住協やPHJなどの講習会に参加してみても良いかと思います。もし、水蒸気移動に関することも知りたい!となりましたらミライの住宅の湿気対策講座や全館空調講座にもお越しくださいませ。
- 「気密が良くても3種換気にしたら家中に穴があるから気密なんて意味ない」と言われたのですが、実際のところはどうなんでしょうか?
- その3種換気の穴がきちんと狙って開けられているのであれば、意味がないことはありません。3種換気そのものが悪いのではなく、何も考えずに単純に「安いから」という理由だけで適当に付けてしまう3種換気が悪いのだと思います。
- 開口部と壁の熱抵抗の差が埋まらない限り、どんなに高性能な家でも窓からいくらかのコールドドラフトは発生すると考えてよろしいのでしょうか?
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開口部と壁の熱抵抗の差ではなく、内外気温差と外皮の断熱性能で決まります。
性能が悪ければ壁でもコールドドラフトは起きます。
- 今後の夏型結露を考えると難しいところではあると思いますが、通常の防湿シート(ポリシート)だと夏型結露には不利ですよね? 充填断熱でネオマフォームやフェノバフォームやウレタンフォームなどで問題はありますか?
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可変調湿シートの耐久性は、何とも言えませんが、家の中の環境で使う物ですので、外部のものほどは気にしなくても良いのではと思っております。
有利不利は、壁体構成によりますので一概には言えません。ネオマやフェノバを100mm施工するよりも、防湿フィルムの方が透湿抵抗は高いですので、十分に分厚い外皮を設計し、地域の気象条件や内部の使用環境に応じた位置に防湿フィルムを施工することで、可変タイプではなくとも夏冬の壁体内結露を防ぐことは可能です。
どちらかというと、素材の特性よりも設計や施工の慣れの方が大きいと思いますので、それぞれの建築会社さん、設計士さん、大工さんが得意な方法で、しっかりと対策していただけるのが良いかと思います。
- 中間での気密測定を仮設の玄関ドアで実施するそうなのですが、その場合は完成後の気密性能はどうなりますか? 森さんのところはどうしていますか?
- 弊社は完成形のドアで施工しております。質問者さんの場合ですと、完成後の結果は恐らく仮設のドアよりも良くなるのではと思います。
現場の養生の為に仮設のドアを取り付ける事はよくありますので、特に問題は無いかと思います。気密測定は、数値競争ではなく思わぬところの漏気が無いかどうかのチェックとなります。