Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
気密・断熱について
- 最近建築されたマンションと同じくらいの涼しさ、暖かさの体感を目指す場合、気密・断熱はどの程度が必要なのでしょうか?
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最近建築されたマンションと言ってもピンキリではありますが、外断熱30mm程度のRCマンション中部屋と同じ位の暖かさを実現しようとすればUA値0.4では全然足りないです。0.2台が必要になってきます。
- アイシネンとグラスウールを比べるとアイシネンの方が金額は高いが、防湿気密シートを使用せずに済むと伺いました。この場合、防湿気気密施工までを考えると価格の高いアイシネン使用でも金額差がなくなってくるのでしょうか?
- 弊社はリフォームなどでアイシネンなどの吹付をするときでも防湿フィルムは必ず貼ります。断熱と気密、防湿については外皮構成全体で考えるものですので、一概には言えませんが、アイシネンにも防湿フィルムは必要な事が多いです。吹付系のメリットは気密が取りやすい事にありますが、凸凹の多いリフォームと違い、新築の場合はその他の工法でもきちんと気密は取れますので、必ず使わないといけない物でも無いと思います。
- 屋根断熱をする際に、ダンボール製の通気部材にアイシネンを吹き付けするのは通気層の確保に問題ないでしょうか? また、基礎内断熱の断熱材として基礎部分に直接アイシネンを吹き付けるのは長期的な性能維持も含めて問題ないでしょうか?
- 屋根に関してはよく行われるやり方です。施工する職人さんの匙加減で段ボールが通気層側にどれだけ膨らむかが決まりますので、これは職人さんによるというのが答えになります。基礎についてですが、こちらもよく見かける気がしますが、形状が単純である基礎は、ボード状の断熱材を施工した方が厚みの確保や断熱材の質の確保もしやすいと思いますので、わざわざ現場吹付を行わない方が良いのではと思ってしまいます。長期的な性能も問題かもしれませんが、基礎の場合は防湿フィルムの施工がなされない例が殆どですので、湿気の出入りは有ります。
- 気密テープは地震で剥がれたり破れたりしないんでしょうか?
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構造が柔らかいと破れます。
そのため、耐震等級3の硬い構造と高気密高断熱はセットで必須なんです。
- 気密C値0.3以下の家がいいと思うのですが、気密C値0.3に慣れてないハウスメーカーでは実現は難しいのでしょうか?
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ハウスメーカーや建売の下請け工務店さんが、まっとうなC値0.3が出せるとは思えません。
C値0.5を切ろうと思うと、施工だけでは難しく、設計段階からの工夫や素材の選定にも気を使います。その知識が無い人が設計をすると、やはりC値0.3という値は出てきません。
- 名古屋圏でC値が0.5、UA値0.46の場合、窓をペアガラスからトリプルガラスに変えても費用対効果はありますか?
- 何を持って費用対効果とするかにもよります。例えば、光熱費と初期コストの2点だけを考慮すると、ペアガラスの方が割安になる可能性も十分にあります。しかし、ペアガラスでは窓のそばで冷気を感じる為、その近くには寄りたくないなと思ってしまうと、窓の周囲が使えない空間となり、家が実際より狭い事になってしまいます。ハニカムサーモスクリーンの様に断熱を更に補強する部材を取り付けた際、ペアガラスでは雫が垂れるほどの結露が起こる可能性もあります。結露を起こさずスクリーンを使えるトリプルガラスの断熱性能vs結露が起こる為サッシだけのペアガラスの断熱性能となると、光熱費、快適性が更に変わってきます。直接的なコストの他に、間接的に変わって来る部分もありますので、いただいた条件で、可能であれば窓はトリプルガラスにしておくことをお勧めします。予算が無ければ、洗面や浴室、など、温度が低く湿度が高い水回りだけでも変えておかれると結露の量はてきめんに少なくなります。10年後、周囲の家でトリプルガラスが当たり前になった時、自分もこうしておけばよかったと思わないと言い切れるならペアガラスでも良いかと思います。
- 床断熱+天井断熱の家と、基礎断熱+屋根断熱の家だと気積が結構違うと思います。温熱環境の面で気積の大小による有利・不利などありますでしょうか?
- 非常に鋭い質問ですね。おっしゃるように、基礎/床、天井/屋根で気積が変わってきますので、例えばC値を測定する時の分母が変わってきたり、UA値を計算する時の外皮面積が変わってきたりします。一般的には分母が大きくなればなるほど、係数は下がりますので、床断熱+天井断熱の家よりも、基礎断熱+屋根断熱の家の方が、UA値やC値は下がりやすいです。ただ、それらの係数は下がっても、隙間の絶対値や、熱が逃げる外皮の絶対的な面積は増えておりますので、光熱費は基礎断熱や屋根断熱の方が増える事になります。屋根断熱をするのであれば、小屋裏空間を上手に使って、勾配天井や、ロフト部屋を有効活用しないと勿体ない事になってしまいます。参考にしていただければと思います。
- 断熱に関して、アクアフォームで壁が90mmで、屋根が300mmを考えているのですが、断熱性を上げるため、壁だけをアクアフォームneoに同じ厚みで変えようと思っているのですが、どうでしょうか?コスパのいい方法があれば教えてください。
- アクアフォームNEOを使ったことがありませんので何ともですが、数字だけ見ますと、1.5~2倍程度の性能になりますので、壁と屋根のバランスは良くなるような気がします。どこの地域に建てるかにもよりますが、基本的にアクアフォームを使った場合は、防湿フィルムは必須になります。もし、防湿フィルムを用いずにアクアフォームだけで施工する見積もりが出ているようであれば、必ずその仕様で、その地域で、壁体内結露、屋根内結露をしないという計算根拠を出してもらうようにしてください。勿論、それは質問者様が検算できるようなものではないと思いますが、後々揉めて裁判等になった際、強力な証拠になります。アクアフォームは手軽に気密が取れますし、断熱材の厚みが確保しやすい断熱材になりますので、採用する会社さんも多いですが、湿気関係で失敗する人も一定数いらっしゃいます。そこだけ気を付けて頂ければと思います。
- 気密性能ですが、最低でもC値1.0がよいと言われる方が多いと思いますが、30年〜50年後でも同じ気密性能を保てるのでしょうか? もし三種換気などで気密性能が落ちてしまうと当初の換気計画通りにならなくなるかと思います。また、気密を落とさない工夫や落ちた場合の対処方法はありますか?
- 気密性を落とさないためにはいくつかの方法が有効です。まず耐震性能を上げる事です。家を固く作り、細かい地震ではびくともしないような構造にしておくことで、気密性能の低下は防ぐことが出来ます。
次に外張り断熱を併用する事です。構造材の収縮も気密性を落とす大きな要因ですが、外張り断熱の家の場合は温度変化による木材の収縮を大きく減らすことが出来ますので、気密性能の劣化は少ないです。
次に含水率の低い木材を使う事です。施工後に木材が痩せるのを防ぐことが出来ます。最後に、細かい振動から有効な制振材を使う事です。大地震の時だけではなく、小さな地震から効果を発揮する制振材を使う事により、構造の変位を抑える事が出来ますので、結果として気密性能が落ちにくくなります。気密性能が経年によりどの程度落ちるか、どんな原因で落ちるかという事は1990年には既に北海道工業大学の研究室にて実測された研究結果が論文発表されております。上記の対策を全て講じた場合、気密性能の低下はほぼ発生しないと思っていただいて大丈夫です。
- 玄関扉の郵便受けは気密性から考えるとつけるべきではないように思いますが、郵便は外に取りに行くしかないのでしょうか? 気密性を維持しながらの方法って何かありますか?
- 玄関ドアに郵便受けが付属している商品ではお勧めできるものはありません。ただ、キョーワナスタさんが壁付けの断熱気密タイプの郵便受けを発売しております。ただ、高断熱住宅に使用しないと断熱性確保は難しい可能性があります。