Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
気密・断熱について
- 気密がしっかりしており、内部の温度が変わらず均一で、空気も常に循環されていて綺麗なのはクリーンルームに近いと思います。 クリーンルームは高気密高断熱かと思うのですが、クリーンルームから得られる知見はありますか?
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仰る通り、クリーンルームは非常に高度な建築的な工夫のされた空間になります。第二種換気で恒温恒湿の空調はそんな簡単に作れるものではありません。ただ、断熱気密がどのレベルかというのはあまり気にされておらず、設備で環境を作るというイメージです。
- 様々な断熱材の中でセルロースファイバーが防虫性にも優れており木造の住宅に適しているということをネットで知りました。森さんのお考えを伺いたいです。
- 絶対的に優れている断熱材という物もなく、また使ってはいけない断熱材という物もありません。どんな暮らしをしたいのかという理想に対しての、適している/適さない断熱材が存在するだけになります。また断熱材に断熱性能以外の性能を求めたりそれをアピールするというのはあまり筋の良い話ではありません。耐震、防水、防湿、防虫、蓄熱、など家づくりには様々な要素がありますが、それぞれ専用の部材を使った方が、遥かに良いです。断熱材に付いている断熱性能以外の性能は、ほぼおまけだと思ってください。
- 冬は快適なのですが断熱効果を夏はあまり体感できません。断熱は暑さには効果がないのでしょうか?
- 断熱等級5以上になると夏の暑さの原因というのは断熱よりも日射遮蔽と換気によるところが相対的に大きくなりますので、等級6を超えて断熱を厚くすると効果を感じにくくなるかと思います。高断熱にしたけど夏が快適じゃないという場合、日射と換気空調の設計を失敗している事を疑ってみると良いかと思います。
- ドイツではDIYが盛んで高機能な窓もホームセンターで販売されていると知りました。 一方で、ちゃんとした断熱施工を行うには窓周りの断熱補強も必要になってきますが、ドイツでは素人でも窓周りの断熱補強が出来るノウハウがあるのでしょうか?
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日本の場合は窓を取り付けた周りに断熱補強をするという納まりはそう多くありませんが、ドイツの場合は窓と躯体の間に気密断熱防水のための部材を噛ませながら施工するのが一般的です。当然そういう部材もホームセンターに窓と一緒に売っているわけで、ノウハウも一般常識として広まっているわけですね。ドイツ語で「窓施工」を翻訳してYouTubeで検索するとそういうDIYのやり方の動画も出てきます。
- 築4年、Ua値0.4でC値0.3の第三種換気の家に住んでいます。 築後に付加断熱の良さを知り、リフォームで付加断熱を追加することを検討しています。 外壁がガルバのためリフォームのために剝がすのはもったいない気がしますが、どうなんでしょうか?
- その断熱性能であれば、ガルバのメンテナンス時期になるまではそのままでも良い気がします。どちらかというと外壁よりも内装の寿命の方が早く来るかと思いますので、内付加断熱を検討する方が良いのかもしれません。
- 最近、家を建てたのですがエアコン代がかなり高いです。 6地域、Ua値0.46、基礎断熱にネオマフォーム30mm、屋根断熱に吹きつけウレタン200mm、壁に吹きつけウレタン105mmです。 基礎断熱を補強したいのですが、おすすめの方法はありますか?
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床下エアコンに基礎断熱30mmでは弱いです。床下エアコンを採用するのであれば、基礎の断熱こそ、壁よりも分厚くしておかねば、大量の熱が逃げてしまいます。基礎の断熱補強は根気次第で自分でもできますので、床下に潜ってたくさん断熱補強をしてあげたり、シロアリに気をつけながら基礎の立ち上がりの外側を保温してあげてください。目安は壁よりも分厚くすることです。
- 27坪平屋の新築を建てる計画をしており、床下エアコンを設置する予定です。 その際、基礎内断熱で基礎立ち上がりが少なくなるよう地中梁を多くしてグリットポストの立ち上がりにしようと考えています。 この場合、根太工法ではなく剛床工法だとうまく暖まりませんでしょうか?
- 基礎の構造はグリッドポストにしておくに越したことはありませんが、空気搬送がうまくいくかどうかは、ちゃんと計算すれば、普通の立ち上がりの基礎でも大丈夫です。根太工法か剛床かは、どちらでも大丈夫ですが、根太工法は壁体内にも暖気が流れ込んでいく為、空気の抜ける先が多い。剛床は基礎内+床ガラリがメインで暖気を室内に送らないといけない。という違いがあります。違いを分かって計算してくれる方であればどちらでも大丈夫です。基礎コンクリートから熱が逃げる量は床下エアコンの場合、普通の家の倍くらいありますので、壁の断熱材よりも分厚い断熱が本来は必要です。床面も基礎の上下を問わず全面断熱をしておいたほうが良いのは間違いありませんので、参考にしていただければと思います。
- 住んでから2回目の冬を迎えましたが、コンセントからの冷気に気が付き防気カバーを付けてもらいました。 しかし、あまり症状が変わらなかったので確認したところ結構な量の冷気がコンセントボックスに入ってきていました。 コンセントボックスに気密テープを貼ったところ風量は減りましたが、壁内に冷気が入ることで断熱材に悪影響は出ないのでしょうか?
- コンセントから冷気が来るのは、気流止めが施工されていないからですね。床下に潜って床と基礎空間の間の隙間を片っ端から埋めていけば、冷気の流入は少なくなるはずです。気流止めが無いことで、グラスウール内を冷気が走ると、ダスティングという現象が起き、グラスウールが埃等々で黒く汚れていきます。また、空気を静止させておくのが断熱材の役目なのに、その中の空気が動いてしまうと、断熱性能はずいぶんと低下してしまいますので、それが一番の悪影響かと思います。
- グラスウール断熱材についてお聞きします。P社で言うところのHGW16Kを使う工務店はよく見るのですが、HGW20K・38Kはあまり見かけません。上位製品は他の断熱材と比較してコスパが悪いから採用されないのでしょうか?
- HG16kがあまりにも普及しておりまして、差額が大きくなってしまっているので、それ以上重いものがあまり使われることは少ないです。北海道や青森ですと、20kや24kを使っているのを見かけます。30kを超えるとGWが自立するくらい硬いので、施工性もずいぶん変わってきます。防音効果を求める場合など、用途に合わせてGWの重さを適宜変えられると良いかと思います。
- YouTubeなどで床下点検口のカバーが浮いている動画があったりします。どのぐらいの気密性があれば、このような現象が起きるのでしょうか?
- 内外圧力差が点検口の重さや止めつける力を上回ればそうなります。例えば40Pa(N/m2)の圧力差が生まれ、50cm×50cm(0.25m2)の蓋を持ち上げようとしたとすると10N(約1kg)の浮力がかかることになります。内外圧力差(Pa)×点検口面積(m2)×0.102(kgf/N)で浮力が算出されます。浮力が蓋の重さの半分を超えれば、そういう現象が現れることもあるかもしれませんね。建築のプロというよりも、普通に物理がわかる方であれば計算できるものかなと思います。