Q & Aよくある質問
よくいただくご質問をまとめました
構造について
- メンテナンスを考えた際、貴社では屋根のルーフィングはどのような提案をされますか?またそれによるコスト増はどうなりますでしょうか?
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基本的にゴムアスファルト系の物を勧めておりますが、これも屋根材との相性によって変わってきます。
ルーフィングそのものも大事ですが、合板の下に風を通す事も非常に大事で、色々な要素が複合されてきますので、建物の計画によるとしか言えません。良い物を使えば当然コストは上がりますが、屋根材を一度葺き替えることに比べれば、全く大した金額ではありません。
- 制震ダンパーの費用対効果をどうみますか?
- 制振ダンパーの費用対効果は難しいです。というのは、各種耐震関係の部材というのは、毎年確実に効果の出る断熱とは違い、地震が来なければ、建物の一生のうち、一度も使われずに終わる可能性もあるからです。大地震に見舞われることなくその生涯を終える古民家もよくあります。耐震制振免震の部材選定については、「保険」のレベル設定だと解釈をしていただいた方が良いかもしれません。どこまでを想定して建物の強度を担保しておくか。当然強い保険(等級3+制振)をかけておいた方が何かがあった時にも安心と言えます。制振部材にはダンパー系、テープ系などがありますが、少し気をつけた方が良いのが、最初から制振部材として効くものなのか、それとも最初は耐震部材として働き、耐震部材として限界を迎えてから制振部材として効くものなのかということです。どちらかと言えば最初から制振部材として働くものを選んだ方が、家全体として、耐震部材の痛みを防いでくれるようです。費用対効果というテーマではお応え出来ておりませんが、制振部材についてはこのように考えております。
- 電気温水器からエコキュートに買い替えを検討しています。後から基礎に穴を開ける事は構造的に問題ないのでしょうか?
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構造的にはもちろん穴はない方が良いのですが、そこはやむなしかなと思います。
あまり派手に鉄筋が切られない事を祈りつつ、穴を開けてもらえればと思います。
また、基礎ではなく土台より上であけることができないかも、一度検討してみてもらっても良いかもしれません。
- 基礎の二度打ちは一体打ちより強度が下がるので一体打ちは当然。みたいな動画を見たのですが、基礎の一体打ちは耐震等級3と同等に必須なものなのでしょうか?
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勿論コールドジョイントが無い事に越したことはありませんが、立ち上がりの高い基礎やそもそも大きな基礎など、1回打設では天端の水平などが保ちにくい条件もありますので、何が何でも1回打ちじゃないとダメという事は有りません。 1回打ち、2回打ち、どちらの場合でも、それぞれのやり方に応じた丁寧な施工をしてもらえるといいと思います。
- 地震に強くするには、耐震等級3と筋交いと制震ダンパーですか?ダイライトなどの面材は不要ですか?
- 外壁面の面材は必須です。
外壁面の面材は必須です。耐震等級はどちらでも取れますが、断熱施工的に外周部に筋交いがあると大変です。できれば面材で6面囲うような家が丈夫ですね。
- 構造体に桧は勧めていますか?
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岐阜の地元産材に東農桧がありますので、余程の理由がない限りは東農桧を柱に使うのが基本です。
- 耐震等級3、高気密高断熱にすると一階の南側窓面積が小さくなると聞いたことがありますが本当ですか?
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本当です。窓は断熱的にも耐震的にも弱点になります。無制限に窓を付けて耐震等級も3が取れるという事はありません。特に、南北に長い建物になる場合は、1階の南側の窓は思うように取れないことが多いです。
高気密高断熱にする事と、窓が小さくなることは関係がなく、耐震等級3を取ることだけが窓の大きさに関係してきます。
ただ、この手の話が、間違って伝わりやすいのは、質問者さん含めて殆どの方が、数字を入れずに話をするからです。例えば、南の間口7mに対して、耐震等級2であれば窓部分が4m壁部分が3mのバランスが可能だったのが、耐震等級3にすると、窓部分が3m壁部分が4mのバランスになりますなど、具体的な数字を入れないで「大きくなる、小さくなる」「思うように窓が取れない」という定性的な話をしてしまいますと、答えている人は、全面ガラス張りは流石に無理というイメージで話しているけども質問している人は、人の頭も出ないような窓しかつかないと受け取っているなどの齟齬が生じます。
具体的な質問には具体的な答えが返せます。抽象的な質問には抽象的な答えしか返せません。
質問者さんが思う南側の窓の大きさが分からない以上、答える側としては安全側を見て「窓は取れない」と答えるしかありません。
- 耐震等級3+制震で検討しています。お薦めの金物などありますか?
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耐震等級3+制振ですね。
私も両社は必須だと思っております。
制振につきましては大きく分けて2つの考え方で商品が開発されております。商品名は色々あり過ぎますので、カテゴリ分けだけさせて頂きました。
①基本的に耐震金物だけど、許容できる力を超えたらわざと壊れて、それ以降は制振材として働くもの
②耐震性は全くないが、最初から制振材として働くもの
③その中間くらいの性能で、耐震性はギリギリカウント出来る程度のものであり、割と初期変形から制振部材として働くもの
①の物は耐震等級3を取るための構造計算に入れられることから、よく好んで使われます。②の物は構造計算上は無視されて、純粋に制振だけに効く形になります。
①の方が耐力壁としても計算できるので良いように見えますが、①の物が制振材として効くためには一定以上の負荷がかかって変形が大きくなってからになります、簡単に言うと大地震の時にだけ効くという事です。普段の細かな地震に対しては制振の建物にはなっていないという事になります。
②は地震に耐える力は一切ありませんが、わずかな地震からでも制振部材として効きますので、日常起こり得る地震で起きる内装のひび割れなどを防ぐ役割を果たしてくれています。
私としては、耐震等級3をちゃんと取ったうえで、プラスαで②の制振部材を使う方が、家の為には良いのではないかと考えております。
木造住宅で耐震等級3を取るためには、外壁面の構造用合板も内部の筋交いも必須に近いですので、特にこれでないとダメと言うものはありません。南北に長い家などは、窓面にコボットなどの鉄筋ブレース部材を使う事もあります。
①が壁倍率を2倍以上取れる筋交い式の制振ダンパー材
②は壁倍率を取れない筋交い式の制振ダンパー材や車のサスペンションの様な方杖式のダンパー材、制振テープ部材が挙げられます。
③は壁倍率が1倍程度の筋交い式ダンパー材です。
- 30~50年後でも新築時の高い気密性能を保つことはできるのでしょうか?
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気密性能の低下はほぼないと思っていただいて大丈夫です。
気密性を落とさないためにはいくつかの方法が有効です。
まず耐震性能を上げる事です。家を固く作り、細かい地震ではびくともしないような構造にしておくことで、気密性能の低下は防ぐことが出来ます。
次に外張り断熱を併用する事です。構造材の収縮も気密性を落とす大きな要因ですが、外張り断熱の家の場合は温度変化による木材の収縮を大きく減らすことが出来ますので、気密性能の劣化は少ないです。
次に含水率の低い木材を使う事です。施工後に木材が痩せるのを防ぐことが出来ます。
最後に、細かい振動から有効な制振材を使う事です。大地震の時だけではなく、小さな地震から効果を発揮する制振材を使う事により、構造の変位を抑える事が出来ますので、結果として気密性能が落ちにくくなります。
気密性能が経年によりどの程度落ちるか、どんな原因で落ちるかという事は1990年には既に北海道工業大学の研究室にて実測された研究結果が論文発表されております。
上記の対策を全て講じた場合、気密性能の低下はほぼ発生しないと思っていただいて大丈夫です。
- 二階にお風呂を設置する上で、水漏れ以外にデメリットはありますか?
- 耐震は大きなデメリットです
耐震は大きなデメリットです。2階の中心にあればまだ良いのですが、殆どの場合、2階の端に寄りますし、お湯を貼っている時間帯と貼っていない時間帯で1.5kN(150kg)程度の荷重のばらつきが出ます。お湯を貼っていない時間帯の方が多いのですが、荷重の多いお湯を貼っている時を想定して構造計算を行いますので、お湯を抜いてある時に地震が来た場合は、偏芯が大きく、余計に揺れるというような事になります。子供をおんぶした状態で、横から押される事を想定してください、当然押される力に負けないように押される側に向かって力を入れていると思いますが、押される瞬間に子供が飛び降りると、色々とバランスが崩れて転んでしまいそうになるかと思います。それと同じことが家の構造で起きます。
とはいえ、子供が12歳の子供と1歳の子供ではバランスの崩れ方も違いますし、あなたが力士の様な体格の人か細身の人かでも違います。2階のお風呂に入った水が全く気にならない程の構造強度にしておくことでその問題はクリアすることが出来ます。
最大のポイントは、建築会社がそこまで考えて構造設計をしてくれているのかという事になりますので、さりげなく設計士さんに構造的にどうでしょうかと聞いてみても良いかもしれません。荷重がどの程度増えるとか、具体的な数字を提示することが出来なかったら、けっこう危ない気がします。