専務コラム
専務コラム
「寒さも和らぎ春の息吹が感じられる季節と・・・・」
この時期よく聞くフレーズですね。
本日、お世話になった岐阜県立国際たくみアカデミーの卒業証書授与式に参加してきました。
私の受け持ちました設備システム学科と住宅建築科の学生さんが巣立って行きました。
担当した学生さんが卒業証書を受け取るシーンでは不覚にもウルっときてしまいました。
現場で働く技術者として世の中に羽ばたいていってほしいと思います。
学科の先生と話していた中で印象的だったのが2点あります。
この道20年とか30年とか、自分に確固たる自信を持ってやっている職人さんほど、
「できているつもり気密工事」になってしまっており、実際の現場で低い品質のものが出来てしまっている事。
学生さんに対して教える、隙間を塞ぐための方法と違う事を現場でやっており、
大先輩から「これでいいんだ!」と高圧的に言われると、新卒の学生も委縮してしまい、
折角教えた最新技術が活かされずに終わってしまっていくのだそうです。
来年の課題は、そんな現場とのギャップがある事を学生さんにも教えつつ、
如何にして正しい施工を世に普及させるかをやって行こうと、話し合いました。
もう一つは卒業生の進路です。
派遣会社さんが学生をアルバイトのうちから囲い込み、そのまま卒業と同時に派遣登録を進めてくるという事です。
夏休み、冬休みの期間を利用して高原のペンション泊まり込みなどの魅力的なバイトで学生さんを釣るそうです。
折角育てた専門技術を持つ若い人材が、誰でもできる派遣の仕事で消費されていってしまうのが情けないという話でした。
派遣の仕事が悪いとは言いませんが、ここは特定の専門職を育てる学校です。
是非、学校で学んだことを活かした進路に進んでほしいと思いました。
そして4月は新しい事が始まる季節です。
国際たくみアカデミーに加え、4月からまた新しい環境で教壇に立たせていただける事になりました。
母校の岐阜高専です。
卒業した私が言うのも何ですが、国立大学に建築学科の無い岐阜県において、岐阜高専は県内で建築を志す者にとっては最高学府となります。
専門である建築環境工学を学生さんに教える事で、更なる自分のレベルアップを図りたいと思います。
住宅でも非住宅でも、間違った省エネ建築が氾濫しております。勉強不足で数字に弱い技術者が多いのが原因です。
理論理屈とがっつり向き合い、岐阜県内に変な省エネ建築が登場しない様に、学生さんを鍛えていきたいと思います。