専務コラム
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住宅を建てようとする際、全ての人が直面する問題が「お金」にまつわる事です。
果たして、どのくらいお金が掛かるものなのか。
「780万円で家づくり!」というようなものから、「〇〇億円の豪邸」まで千差万別です。
建築時の金額が大きなものになる為、どうしても「坪単価」や「本体価格」というものに目が行きがちです。
しかし、実は建築時の価格というのは氷山の一角でしかなく、「住む」という事に関しては他にもっと大きな金額が掛かっているのです。
毎年、統計局や内閣府が調査している統計情報があります。
例えば、内閣府経済社会総合研究所という機関が発表している国民経済計算年次推計という資料があります。
この中には日本国民が何にどのくらいお金を使ったのかという情報が載っております。
平成27年のデータを見てみますと、「住居・電気・ガス・水道」という項目の年間合計が74兆3200億円です。
日本には現在5652万世帯の家庭がありますので、単純に割ると一つの家庭で「住む」事に掛けるお金は年間143万円になります。
平均的な男性が25歳で実家から独立し、81歳まで生きたとすると56年間、自分の家庭を維持することになります。
143万円×56年間で8000万円です。つまり、日本人は住むという事だけで一つの家庭あたり8000万円のお金を使っているというのが日本の現状です。
さらに、住宅に関係のある「家具・家庭用機器・家事サービス」の項目や「保険・医療」の項目「娯楽・レジャー・文化」と「外食・宿泊」を含めると、
実に9000万円に上るお金を日本人は住宅に、もしくは住宅が原因の出費に払っている事になります。
ちなみに、総支出額を世帯数で割って、56年を掛けますと、3億1652万円になります。サラリーマンの生涯年収に奥様のパート代を足すとほぼトントンといったところです。
世の中はちゃんと辻褄があうようになっているのですね。
自動車業界はエコカーブームです。たとえ最初に100万円高いエコカーを買ったとしても、乗っているうちにガソリン代で元が取れるという考えです。
10年そこそこしか乗らない車でも、エコカーにお金を掛けた方が元が取れるのです。
凰建設のプリウスはもうすぐ走行距離が29万キロになります。17年前当時、他の車よりも50万円程高かったと記憶しておりますが、
ガソリン代を29万キロ分計算してみますと、当初の50万円高い分を考慮しても100万円以上、安い買い物をした事になりました。
では、住宅はどうでしょうか。例えば30歳で家を建てるご夫婦は、奥様が平均寿命で亡くなる87歳までは住むつもりで家を買うのではないでしょうか。
その57年間、家は自然環境から家族を守らなくてはなりません。更に、余計なエネルギーコストを掛けることなく経済面でも家族を守る家でなくてはなりません。
住居にかけるお金と、電気・ガス・水道に掛けるお金というのはトレードオフの関係にあります。省エネな家を建てれば建てる程、エネルギーを使わなくて済むという事です。
凰建設が考える理想の家づくりは、家を建てる人が生涯を通して、最も経済的に暮らせる家です。
目先の2000万円ではなく、生涯コストの9000万円を如何に抑えていくのかを考えた家づくりをしていきます。
初期費用が2割高く、ランニングコストが2割安い建物を計画できたならば、トータルコストは700万円程安くなります。
ランニングコストのうち、大部分を占めるのは「エネルギーコスト」です。そのお金はいわゆる中東の石油王と呼ばれる人に支払われるものです。
削減した分、日本の富が国内に残る事になり、誰も困る事はありません。
人生において700万円のお金が捻出できたならば、皆さんはどのような事に使われるでしょうか。
次の世代の子供たちに質の良い教育をプレゼントすることもできます。海外旅行などで自分の見聞を広めることもできます。憧れだった高級車を新車で買う事も出来ます。
さらに、質の良い住宅は世代を超えて子供たちに「優良な資産」として遺してあげることが出来ます。
私たち世代が頑張って支払った住宅ローンの恩恵を、自分の子供たち世代が数代に渡って受けることが出来るのです。
私たちが必死になって削減しようとした目先の2000万円を子供たちは考えずに生きて行けるのです。
せっかく家を建てるのであれば、そのような価値観を持っていただきたいと切に思います。
日本の経済を圧迫するのは医療費とエネルギー費です。お金を掛けずに家中を温めることが出来れば病気になる人が減ります。
毎年60兆円もの大金が消費されるこの2項目に大きなインパクトを与えられるのが「住宅」の良し悪しです。
住む人が豊かになり、国が豊かになる。そんな家づくりを考えてみませんか。