専務コラム
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日本には6000万戸の住宅ストックがあります。
それに対して、世帯数は5200万世帯。空き家率は13%になります。
そして毎年80万戸くらいずつの住宅が新しく作られ続けており、毎年10万戸くらいずつ壊されていってます。
ただでさえ余っているのに、更に年間70万個ずつふえていくという、完全に供給過剰状態です。
しかし、日本の建物は物理的にもイメージ的にも寿命が短く、壊されずに残っているけど「これ、住めないよね」という「家の形をした箱」がどんどん増えて行っております。
今すぐ新築することを禁止しても日本の社会は殆ど困る事が無い中で、今後は今のストックを大切にリフォームしながら使っていきましょうという世の中の流れが出来ることは想像に難い事はありません。
当然国も色々と考えておりまして、国が公式に勧める省エネルギーリフォームの技術資料が今年の春、発刊されました。全国各地で講習を受けた人がテキストを貰えるという仕組みで、名古屋は6/15に開催でしたのでそちらに参加して、テキストを貰ってきました。
ガイドラインを手に入れた事と、もう一つ自分にとって嬉しかったのが、建築研究所の三浦さんに初めて直接お会いできたことです。美濃市にある森林文化アカデミー辻先生のお話しなどでお名前を聞く機会がとても多い方でしたし、エアコンの実測COP論文や数号前の日経ホームビルダーなどでもお名前を拝見しておりました。日本の住宅省エネ計算のレールを敷いていかれる方だと思っておりますが、TwitterやFacebookの文章から伝わってくる物は非常に自分に近いと勝手に共感しておりました。
研究者の皆様は各種計算に便利な係数や近似値をいっぱい作ってねとFBでお願いしたところ、そういう考え方は良くないですと怒られたこともあり、色々感慨深いものがありました。
さて、内容の肝は新しい断熱指標である区画熱損失係数Q*(きゅーすたー)の認知と普及でした。
住宅を部分的に改修工事を行う際の温熱や経済性の評価を行うための数字です。暖房している部屋から暖房していない部屋への熱の逃げ方などを考慮して数字を出します。
Q*の考え方が出る前から、ほぼ同じ計算をしながら断熱改修に取り組んでおりましたので、考え方に異論は全くありませんでした。
ここからはちょっと専門的なぼやきですが、、、
単位はやっぱり(W/㎡K)でないとダメなのでしょうか。冷暖房温度差1℃当たりに逃げる熱量の数字をあえて最後に床面積で割ってW/K→W/㎡Kにしているわけですが、実務でさっと必要な数値を算出するのはW/Kの方が楽なんですよね。
これは昔のQ値でもUa値でも言えるのですが、㎡数は設計が終わった後は固定値です。しかし、温度差Kは住まい手が自分で決められる数値でもあります。300W/Kみたいな数字の改修で冬の平均気温が5℃の地域があったとすると18度まで暖房したいんだったら4kWのエアコン、23度まで暖房したいんだったら5.6kWのエアコン。みたいに暗算でも出来るようになるんだけど、、やっぱりダメでしょうかね。
そんな話を三浦さんにしてみたかったのですが、緊張して話せず終わってしまいました(笑)
ともあれ、ようやく国が公式に、こうやって設計してくださいねと発表をしたわけですので、存分に活用させていただきたいと思います。
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