専務コラム
専務コラム
年ももうすぐ終わりですね。
冬の風物詩と言っても良いのではないかと思うのが、
「お風呂で亡くなりました」報告です。
今日も、「朝まで元気に雪かきをしていた84歳のおじいちゃんが、お風呂で倒れてピンピンコロリ。」
というSNSの投稿を見かけました。
寝たきりや介護の期間を過ごすことなく亡くなる事をピンピンコロリと表現することが多いですが、このピンピンコロリも様々です。
SNSのおじいさんもピンピンコロリと言えるのでしょうが、「お風呂で倒れて」というのは果たして幸せな事でしょうか。
年を取ると、それまで蓄積されてきた血管のダメージが温度変動などに伴う血圧変動に耐えられなくなり、お風呂やトイレで老人が亡くなります。
つまり、お風呂やトイレが命がけの生活になるわけですね。
このお風呂から生きて出られるか、、、と考えながらお風呂に入る事になります。
今年の9月に設計させていただいた住宅のおじいちゃんが亡くなりましたのでお葬式に参列させていただきましたが、
こちらのおじいちゃんも90歳間近でした。同じように働き者で、畑仕事に日曜大工に、大忙しの生活でした。
その方も、いよいよ体が動かなくなり、一時は入院されておられましたが、ご本人と家族の希望により退院。
3週間ほどの自宅療養の後、人生の幕を降ろされました。
前者のおじいちゃんは、別れを覚悟する時間も、惜しむ間もなく天国に。
後者のおじいちゃんは、わずかな時間ではありますが、家族が別れを覚悟する時間がありました。
世間一般のイメージで言えば、どちらもピンピンコロリの人生ですが、その死にざまは全然違います。
片や冷たいお風呂で裸のまま。片や布団の中で家族に看取られながら。
家族に遺す事が出来た言葉も違います。
家を建てる世代の多くはまだ若く、死を意識することもなく家を建てますが、
人間らしく死ねる確率は、暖かい家なのかそうでない家なのかでは大きく違います。
是非、あたたかい家で暮らしていただきたいと思います。
そんな時に、お勧めイベントが。
健康・省エネ住宅を推進する国民会議さん主催の、クリスマスシンポジウムin岐阜です。
人を殺さない家のつくり方を教えてもらえます。伊香賀先生や星先生といったその道の第一人者の方のお話しが聞けます。