専務コラム
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9月4日に、経済産業省 資源エネルギー庁
ZEHロードマップ検討委員会より、中間とりまとめ(案)が発表されました。
ZEHとは「ゼッチ」と呼ばれ、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのアルファベットの略です。
年間一次エネルギー消費量が正味で、ゼロになる家というのが定義です。
気を付けたいのは光熱費がゼロではなく、一次エネルギー消費量でゼロになるという事です。
オール電化のような、疑問符が付くようなエコではなく、本当に地球環境に寄与する住宅を
目指そうという事ですね。光熱費と一次エネルギーの違いはまた別の機会に、、、
取りまとめを見ていて注目したい部分を抜き出してご紹介したいと思います。
まずは1ページ目
「今後ZEHを普及させるためには、創エネルギーの制約がある中でもZ EHが達成できるような更なる高断熱・省エネ化のほか、低価格化、消費 者への周知・広報等が不可欠である。
今よりも更に高断熱・省エネ化が必要と言っておりますが、やはり断熱化と車の両輪である「高気密化」については触れられておりません。
断熱だけを突き詰めて、気密を重視しない家は、必ず隙間からの湿気流入と結露の問題がついてきます。
そういう住宅は壁の中がこんな感じになっていきます。
その辺の再基準化はもう国には期待しないで行こうと思いますので、こちらはきちんと世界スタンダードに則って、
愚直に気密工事を行っていきます。
そして3ページ目
我が国では、「エネルギー基本計画」(2014 年4月閣議決定)において、「住 宅については、2020 年までに標準的な新築住宅で、2030 年までに新築住宅 の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す」 とする政策目標を設定している。
~中略~
なお、海外諸国では、英国において 2016 年までにすべての新築住宅をZE Hにするよう法制化がなされており、また米国や欧州においてもZEHの 政策目標の実現に向け各種施策・取組が推進されている
片や来年以降全部の住宅をゼロエネルギー化する事が決定しているイギリスに対し、15年後に、何とか平均でゼロエネルギーを目指す日本、
この差は何なのでしょうか。
昨日、静岡の寺田工務店、寺田社長がおっしゃっておられました。
将来こういう住宅(ゼロエネルギーハウス)になる事が分かっているのに、それ以外の住宅を建てることは私の良心が許さない。
もしそうでない家を今建てて2020年にそのお客さんから
「5年前にはこうなる事が分かっていたのに何で私たちの家をそのように建ててくれなかったのか」
と言われたら私は何も言えない。そうならないために今から2020年基準の家を建てて行くのだ。
正にその通りだと思います。
昨日、うれしい報告が届きました。
7月末に引き渡しをさせていただいたお客様から、8月はエアコンを付けっぱなしで、一切我慢しないで快適な生活を送っていましたが、
それでも建て替える前の家と比べて25,000円も電気代が安くなりました。
こういう声を聴けば聴くほど、ますます燃費の良い住宅の必要性を感じます。
1年ごとの目標が示されたのは今回の案が初めてではないでしょうか。
いよいよ2020年に向けて、住宅性能の革新も進んで行きます。
自然素材も、スマート家電も、先進設備も全部魅力的な住宅の要素ですが、
まず来たるべきエネルギー危機に向けた、低燃費な家づくりをしっかりと押さえてからの話だと思います。
私たちが家づくりに関わらせていただいたお客様に、絶対に公開したくない。だから、
世の中の状況を知る努力をこれからも続けて行きたいと思います。